2019年5月25日土曜日

第9回 女流棋士の知と美 ライブプロダクション

天カメを設置してプロジェクターに投影するという単純な仕事ではありますが、対局者の姿も同時に見せたいとなると映像合成が必要となります。
今回は XSplit (有料版)を使うことにより、以前、気になっていたウインドウ枠が映り込むことがありません。

今回は Switch の実演があるため、映像素材の入れ替えがあります。別にしておくことも物理的にはできるのですが、手持ちのPCでは非力すぎて安定しないため、スイッチャーで切り替えることにします。



設置するだけで1時間。天カメ調整に30分以上。Switch の配線検討とリハに1時間と、朝から準備を進めているものの、全く余裕がありません。

色々とミスはあったのですが、なんとか本番を終了。
撤収にも1時間ぐらいかかります。
ステージを楽しむ時間などなく、ただただ集中して、そして慌ただしく片付けて終了。
とにかく疲れました。

2019年4月7日日曜日

[放送後記] 長岡裕也 五段を迎えてのトークライブ 「羽生善治 × AI」

ようやく春らしい陽気を迎えた東京は、朝から晴れて気持ちが良い。
2019年4月6日、つい先日には新しい元号が発表され、人々は平成の振り返りと新しい時代への期待とが入り交じる日々を過ごしている。

平成を代表する棋士といえば「羽生善治」と答える人が多いかもしれない。羽生善治氏は1985年12月18日にプロデビューを果たしている。平成が始まるのは1989年。羽生氏は昭和生まれ・昭和デビューではあるが、1990年(平成二年)に竜王タイトルを獲得してから快進撃を続け、平成30年末に竜王タイトルを失うまでの間に99期ものタイトルを保持したことからも、平成は羽生の時代と言っても過言ではなかろう。

今まで事あるたびに羽生氏は分析された。
各界の一流人が対談し、脳科学者はMRIで羽生の脳をスキャンした。
それでも彼の勝負強さがどこから来るものなのかは解明されることはなかった。
しかし、近年の将棋ソフトの著しい進化により将棋は数値化されるようになり、羽生の将棋も徹底的に研究される対象となった。今まで棋士が束になっても分かることが無かった羽生の一手、あるいは究極の一手が解き明かされつつある。かつて、羽生にだけ見えていた世界が、AI によってこじ開けられつつあるのだ。

誰しもが知りたい羽生善治の強さを間近で長く感じている棋士がいる。
テレビ番組で「羽生の右腕」として紹介され、10年にも及ぶ VS (ブイエス - 1:1 での練習将棋) を続けている相手、長岡裕也 五段である。

羽生善治との対局はそれが非公式といえども誰しもが望むものである。
「羽生善治 × AI」の中でも触れられているが、「なぜ長岡裕也が?」ということについては羽生本人に直接聞くのは無粋というものだ。だが羨む周囲が大いなる推測をしても構わないだろう。

今回のトークライブの開催にあたって、長岡五段の要請により異例の事前準備が行われた。いつもは棋士・女流棋士が当日来てパッとやるというスタイルで、運営側だけの準備だけで足りている。だが長岡裕也は完璧を求めた。2週間前に3時間に及ぶ打ち合わせで内容のすり合わせを行い、4800字の進行台本に目を通した。私たちは打ち解け、慣れ、余計な探り合いは不要となった。



この真摯に向き合う姿勢が羽生の心を動かしたのかもしれない。
なんとなく、私はそう思った。


番組の様子は YouTube のアーカイブを観ていただければと思う。



番組内で紹介された本
勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント

生放送終了後は会場からも多くの質問があがり、一つ一つに対して丁寧に回答いただいた。
「羽生先生に本について報告しました。"長岡君が書くの?"と2回聞かれました。」の件は面白い。
そして、「羽生先生は読んでいないと思います。普通、読まないですよね?(笑)」ということで、読んでいないだろうという見立てです。

トークが終わり、丁寧にサインを行い、その間には台湾で行われている叡王戦の様子も気に掛けつつ、全ての予定をこなすと午後11時を廻っていた。

「羽生先生は神ではないですよ。人間です。当たり前のことを積み上げていくことに強さがあると思います。」

羽生の右腕は、そういって笑う。
私たちは、その「当たり前のこと」が高度で膨大であることを知っている。それを続けることがいかに難しいことであろうことも想像できる。

AI が将棋の解明を手助けをし、羽生だけが見えていた世界が羽生だけのものではなくなりつつある。それを一番感じてるのが羽生本人であり、その変化を感じているが長岡裕也である。

いつか将棋は暗記と計算のゲームになってしまうかもしれないという憂慮は、第一線で戦うプロ棋士の多くが持っているかもしれない。この10年とこれから先の10年は近似値的に比例するグラフを描くがごとく進むか、あるいは更に加速していくのか。将棋の魅力は褪せることは無く、人々は盤上の戦いに心奪われ続けるのだろうか。

今を記憶しよう。 もがき、熱中し、探った日々を記憶にとどめよう。
いつか時代は変わり、多くは過去の記憶をも消し去り無かったものとして扱われる。
だからこそ、今をしっかりと記憶に焼き付けよう。私たちが羽生善治と歩んだ平成、そして、その記憶を確かに裏付けてくれる書籍と共に。
「羽生善治 × AI」と共に。

(文 @totheworld)

2019年3月31日日曜日

[放送後記] 門倉啓太五段を迎えてのトークライブ

桜咲く東京の春。
この数日は満開を迎える桜を前に花冷えが続いている。
あと1か月足らずで平成が終わる。元号という制度による区切りでしかないものの、人々は平成として過ぎ去った30年を思い返す。時にして振り返ることも、自らの存在の確かさを証明するのに必要かもしれない。

近年の将棋ソフトの隆盛により、将棋は初手から点数がつけられ、リスクを許容する指し手が減ってきている。序盤で飛車をどこかの筋に振ろうものなら、すぐさまにマイナスを表示する。振り飛車党 冬の時代と言われ、ソフトに咎められても自らを信じる力を持つ者だけが序盤を創造する希望を託される。

その一人が、今回のゲストでもある門倉啓太五段である。

棋士とは何者か?を探るのが、ねこまど将棋チャンネルのミッションでもある。
ファン代表として、素朴な疑問を10の質問で聞いてみた。

1.       将棋界では一番背が高い
2.       ニックネームの「カドック」は気に入っている
3.       書道が得意だ
4.       対局の前日は良く眠れる
5.       対局の日の食事の注文は迷わないほうだ
6.       対局には必ず持っていくものがある
7.       棋書を書くのは好きだ
8.       将棋を覚えたら、まず振り飛車を指すべきだ
9.       将棋は先手が好きだ
10.    先手で78飛を指せば勝てる!

そして、2つの無茶ぶりにも答えていただきました。

1.新元号を予想してください!
門倉五段の答えは、「棋栄」という教科書のような回答。
「きえい」という読みは当たるかもしれません。
鬼影とか、鬼詠かもしれません。羽生さんという鬼が国民栄誉賞となる時代ですからね。

2.マニアッククイズ出してください!
プロ入り後の門倉四段(当時)が 2014年のA級順位戦 最終局 三浦-久保 が一番長かった記録係としての対局ということで、その終局時間は?というのが問題です。

 A. 2時
 B. 3時
 C. 4時

ちなみに、この時の一斉対局は静岡の浮月楼で行われ、通常の10時開始よりも1時間早く9時から対局が開始されています。
1時間以上も秒読みが続く大激闘で、正座で通した門倉先生も最後は疲れ切ったようです。




今回、新刊 「振り飛車の新機軸! 初手▲7八飛戦法」が発売されました。
振り飛車は、どのような戦型でも概ね相手を気にせず駒組みをできる利点があり、今回の初手 7八飛 は、更に先手駒組みを有利に進めようとする作戦です。




放送後の観客からの質問は駒組みに関することに集中しました。
ストロングです。
今回の客層は将棋に真面目に取り組む向上心の強い指す将です。素晴らしい。

講座の宣伝もします。
集中して覚えれば武器になること間違いなしです。


新元号がどうなるのか、新しい将棋界はどうなるのか、これからも楽しみですね。

(文 @totheworld)

2019年3月17日日曜日

【放送後記】山根ことみ女流初段を迎えてのトークライブ

ねこまど将棋チャンネル vol.35 

第9回 女流棋士の知と美」が2019年5月20日に開催されることとなり、宣伝も兼ねて、山根ことみ女流初段にお越しいただき、ねこまど将棋チャンネル vol.35 を放送しました。

関東に移籍して半年、ニコニコ、abemaTV への出演もあり、その名前も将棋界の中では全国区になってきている。

ねこまど将棋チャンネルの重要な方針として、ゲストのパーソナリティが分かるように伝えたいという思いがある。
今回は不思議少女とうまくコミュニケーションを取れるだろうか・・

生放送が始まる前に色々と準備。

それは「自撮りチェキ」。
#知と美 での物販に取り入れられないかと考え、今回試し撮りをして観客にプレゼントすることにしました。



これで少しリラックスしてもらい生放送に臨みました。

「女流棋士の知と美」に出演したかったという山根女流。
関東に来てからは「ことみん」の愛称で呼ばれていますが、愛媛の時には「ヤマネコさん」と呼ばれていたそう。私が事前に予想していた「ヤマネン」はかすりもしませんでした。

そうそう、ことみん。
芸能人で例えると、島崎遥香上野樹里を足したような感じだと思います。
昔の山根さんを知りませんが、どんどん綺麗になっていますね。

知と美で、どのような着物に身を包むのか楽しみですね。
きっととても似合うと思います。

そして、
若手の中では才能がある有力株ですので、何かのきっかけを掴めば大きな舞台へと進んでいきそうです。



女流棋士の知と美では間近で対局を観戦し、物販等で直接 応援の言葉を掛けることもできます。一人一人の応援が、きっと彼女の背中を押す力となると思います。ぜひ、会場にお越しください。

また、ことみんがツイッターを開始しました。登録しよう!
twitter @kokoko6987

ねこまど将棋チャンネル vol.35
山根ことみ女流初段 トークライブ
https://www.youtube.com/watch?v=oJl8HEV4Ln8



(文 @tothewold)





2019年2月23日土曜日

[収録中] 2/23(土) 山本博志四段 全3回「平手初心者のための楽しく覚える三間飛車入門講座(集中レッスン)」」

 2/23(土) 山本博志四段 全3回「平手初心者のための楽しく覚える三間飛車入門講座(集中レッスン)」
http://nekomadoblog.jugem.jp/?eid=1841


本日は講座の収録を行っています。編集した後に、ねこまどオンラインにて公開されます。

(最初の挨拶を撮って出し)

「三間飛車 最高!」を声高に叫ぶ山本博志四段は、デビュー後、現時点で3勝2敗。三枚堂・佐々木(大)の同世代の二人には負けているものの、三間飛車が故に負けているわけではない。むしろ序中盤は有利に進めていることから、三段飛車の戦法が否定されているわけではない。

山本四段の講座は今までも数回、ねこまど将棋教室で行われている。
とても分かりやすく、丁寧に三間飛車の魅力と「勝つポイント」を教えてくれる。本を読むのも良いが、講座を聞いて視覚と音声で理解するのも良い方法。

山本四段の講座は雑談がほとんど無いストロングスタイル。
物腰も説明も柔らかだが、集中してついていかないと置いて行かれる。

なので動画を収録しています。
ねこまどオンライン、まずは会員登録(無料)してね!


2019年2月5日火曜日

豊川七段の達観

ねこまど将棋チャンネル 豊川七段のトークライブを終える。
ファンを大切にする姿勢を見せてくれる豊川先生だが、たぶん、勝負の場になると豹変するんだろうなと感じさせる。それは二面性ということなのだけれども、勝負師だから当然だと思うし、むしろ、ファン向けの顔ができる人というのは器用な人なんだろうなと思ったりもする。あるいは家族に見せる顔も違うかもしれない。三面性。あるいは自分ひとりの時はまた別の顔かもしれない。四面性。

ある種、人生を達観しているようにも思える。
そこはかとないパワー。それはファンに向ける明るい笑顔とダジャレのオンパレードというような分かりやすい表現とは別の、なにか異質のエネルギーを感じる人、というのが私の率直な感想です。

私は人間の本質を探ったりするのが好きだ。だから考えすぎているだけかもしれない。でも感じたことを書き記すことが私の役目。将棋が文化として成立するには、私を含めた多くの無名の人の考えや感情が残されなければならない。それが体系化されなければならない。

さて、豊川七段アイデアの「格言ってニャンだろう」という講座を作ろうという話をしています。なんとか形にしよう。

おちゃめな豊川先生


2019年もやることが多い。

(文:@totheworld)

2018年2月18日日曜日

ゲストに森内俊之九段を迎えて

日本将棋連盟専務理事 森内俊之九段を迎えてのトークライブ。
理事職で多忙の森内九段は、その影響かどうか「だいぶ痩せました」と、でも体調が悪いわけではなさそうで、いつもの笑顔を見せてくれた。

受けの棋風と言われる将棋と同じように、今回のトークライブで丁寧に全てに応対をする森内九段は懐が広く、偉大であるのに無限な柔らかさを抱え何もかも受け止めてしまう大きな躯体は、雄大なアルプス山脈のような父性を感じる。将棋界の父親だ。
女性参加者が多いのはそのためだろうか?

北尾まどか女流とは十数年来の仲ということもあり、その親密感を借用させてもらい、トークライブを進めることができた。

準備に余裕があったので簡単に打ち合わせを行い緊張をほぐす。
永世名人資格保持者に何をさせてしまったのだろう・・
嫌な顔一つせず、楽しんでくれる様子は、やはり子ども相手の父親のようでもある。

トークのほうは YouTube 動画を見ていただければ、お分かりいただけるかと思います。森内九段らしさを堪能することができます。

「何書きましょうかね?カレーに関することにしましょうか。」と言い、ご自身で書かれたフレーズです。(強要していませんよ。いや、期待のプレッシャーは掛けなんかましたけど。北尾先生がw)

なんかほっとする。なんか安心する。
そんな森内九段の笑顔に平和を感じる日曜の朝となりました。
これが、これこそが「流れは完全に森内」なのだろう。

午前のトークライブを終え、午後のプレミアムカレー会に向かうこととなり、私が現地までの案内役を務める際には、小柄な私に代わって森内九段自らが大きな体で大きく手を振りタクシーを止めてくださいました。そんなこともサラッとこなす森内先生は、大きな男という言葉がぴったり。

この大きな船に身を委ねて、大河を下り、大海に向かおう。
もっともっとスケールの大きい世界が見えるかもしれない。
私は確信した。そして多くの人が確信している。


(文 @totheworld)