2018年1月12日金曜日

「第7回女流棋士の知と美」を支えるライブプロダクション

昨年末に行われた第7回女流棋士の知と美 (2017.12.18) において、様々な事情が重なり合い、ライブプロダクションの依頼が私のもとに来た。

ライブプロダクションとは、当日の舞台上の動画撮影と劇場内での中継である。
将棋の中継で欠かせないのは天井から吊り下げて盤面を映す、通称天カメだ。加えて、対局者の表情を映すためのカメラがあったほうが迫力がある。舞台全体も抑えておく必要があるし、解説者の映像も必要である。複数のカメラを上手く設置しなければならない。それだけであれば、それほどの苦労は無いのだが、これらのカメラの一部は舞台上のスクリーンに投影して、リアルタイムで観客に見せなければならない。具体的には「天カメ+対局者二人の様子」:計3つの映像ソースを1つの画面に合成してプロジェクターを通してスクリーンに投影するという作業をしなければならない。

ここで二つ懸念があった。
ひとつは、1画面+2ワイプを行ったことが無い。ということ。1画面+1ワイプは経験があるが、更にもう一つ映像ソースを加えることができるのか。
もうひとつは、3画面構成をしながら、現状スペックのPCで問題なく動き続けることができるか?ということである。
この二つは、結局のところPCのマシンパワーに依存するところが大きい。

HDMI ソースを USB 経由でPCに取り込み、1画面に収まるように合成編集し、それをリアルタイムで流す。これだけで相当なパワーが必要そうに思われる。

その前に、どのようなソフトウェアで合成すればよいのか全く分からなかった。ねこまど将棋チャンネルでは OBS (Open Broadcasting Software) で映像合成を行い配信を行っている。今回はそれをそのまま使ったのだが、残念ながら欠点が一つあり、配信プレビュー画面において、「メニューバーが消えない」のである。よって、いくぶん残念なものの、現場で投影された画面の上部にはメニューバーも投影されている。
有償版の xsplit であれば出来たかもしれないが、依頼が来た時にはすでに1週間を切っており、新しい試みをしている余裕はなかった。

ビデオスイッチャーの導入も考えたが、1ワイプまでは機器側でできるものの、2ワイプ可能なスイッチャーが安価で購入できそうになかった。故に、ソフトウェアでの合成編集となった。PC のパワーが不安だ。


事前に構成図を書き、構想を練る。下見に行けないので当日素早くセッティングできるように頭に叩き込んでおかなければならない。

なお、前回(第6回)は囲碁将棋チャンネルさんが全てのライブプロダクションを行っており、銀河将棋チャンネル(有料)にて閲覧することができる。
彼らはプロであり、こちとら素人で私一人である。無論、プロ機材は一切なく、民生機器で全てを乗り切ろうとしている。幸い、当日は二人手伝いが加わり、素早くセッティングすることができたが、戦力不足は否めない。

ただ、最悪、天カメ(対局者ワイプ無)だけの投影であれば、カメラの映像をプロジェクターに直接繋いで映せば良いから何の手間も無い。

セッティングにおいて、[カメラ] - [HDMI-USB変換] - [PC] において、クセ(相性)みたいなものがあり、里見カメラを当初の予定とは違う機材を使用した。会場のライティングの関係で、どうしても赤い映像になってしまい、最後は調整しきれなかった。


また、スタジオではなく舞台でやっていることもあり、カメラは固定せざるを得ず、対局者がフレームから外れるということもあったが、致し方ない。

100点満点ではないが、ベストエフォートで頑張り、そしてPCも落ちることなく終わることができた。この様子なら、同時生配信も可能だったかもしれない。落ちるのが怖いけども。

なお、後日配信用に映像を編集している。

舞台後方のスクリーンには、天カメ映像と解説用将棋ソフトを切り替えて投影している。
解説者は、天彦名人と斎藤七段。なんて豪華なんだろう。そして、読み上げは急きょ頼本女流が担当している。

配信用動画は対局前の対局者・解説陣からの見どころコメント、対局後の対局者コメントも収録している。見どころが多い動画に仕上がっていると思います。加えて、対局前のトークショーも編集して配信動画に仕立てている。

さあ、どうすれば、この動画を見ることができるのか?
それは、後日、ねこまど将棋教室から発表がある予定です。
お楽しみに。

(@totheworld)