2016年6月27日月曜日

夜明けの Nyaa 君が泣いた

2016年6月26日 第27回社団戦リーグの開幕日
東京、快晴。

「天気が良くて良かったですね」 と新メンバーの ともちん が言い、
「将棋に天気は関係ないよ!」 と他のメンバーが突っ込み笑いが起こる。
浅草駅で集合した時の会話だ。

駅に集合し、いつもの雑談で気分をほぐす。
だが、今日は初日だ。初日がゆえに、昨シーズンの屈辱を思い出さざるを得ない。
あの砂を噛むような苦い思い出をだ。


会場に向かう道中は、どうみても将棋指しとしか思えない人々の群れによる行列。
「どんだけ将棋好きが集まってるんですか?ここは!」
と初参加メンバーが呟く。
貴重な休みを、当日のみならず将棋に情熱を注ぐ人たちの軍団の中に私たちも混じっている。
私たちもまた、結局、ここに戻ってきたのである。



(いつも明るいねこまどチーム)


今期は新メンバーを数名迎え入れ、新ねこまどチームとして社団戦6部に挑む。
この数か月の準備期間中、新メンバーには前年の経験を口が酸っぱくなるほど伝えてきた。それは愚痴に近かったかもしれない。でも、新しい仲間にも伝えたかったし、分かってもらいたかった。それは忘れてはならない記憶であり、これからもメンバーが増えるたびに伝承していくであろう。


第27回社団戦は、昨年の浜松町から場所を変え、浅草となった。
そのことは、新しく一歩を踏み出そうとする我々にとっても好都合だったかもしれない。

気分を新たに、前へ前へ。


産業貿易センター台東館 は思ったよりも新しく、広い。
観光の街のイメージのある浅草にこんな建物があることに驚く。
浜松町の時と違い、フロアが二つに分かれる。
1部から4部が4階。5部と6部は5階。

(5階の様子)


会場では見知った顔もちらほら。
棋士の先生も多くいらっしゃっている。指導先への激励だろう。いい光景だ。
初参戦の Shogi Otome は少々戸惑い気味のよう。大丈夫、雰囲気に圧倒されるのは通過儀礼ですよ。


開会式にて所司先生、LPSA中倉代表らの激励の言葉を頂き、いよいよ初戦を迎えることとなる。


初戦の相手は既に決まっている。
"天野チルドレン4 (天チル4)" である。
知己も多く、レベルも大きく差がないということが分かっている。
故に、勝手ながらライバルチームの一つとして、「絶対に負けられないチーム」としてメンバーを鼓舞し続けてきた。

実は以前に、いけるいさんからお誘いを受けて、練習試合を組んでいただいたことがあり、その時はチームとして完敗だった。それももまた苦い思い出。
あれから数か月、いろいろな恩を盤上で勝って返すのが将棋界の掟。
だからこそ、どうしても勝ちたい。


(初戦を前に緊張の面持ち?のメンバー)


天チル4 戦には新戦力2人が入り、4勝してチーム1勝をもぎ取ろうと意気込みます。
(ねこまどチームは人数に恵まれ、よほどのことが無い限り不戦敗を出すことがありません。ですが、同時に誰をどの試合に出すのかということも綿密に考える必要があります。加えて、勝ちたい試合というのも存在します。その辺りの複雑な事情を考えてオーダーを決めるのが、チームの軍師 タカQです。)


社団戦の対局は 30分/30秒。

いつもは早指しの主将も、初戦はじっくりと時間を使っているようです。
他のメンバーも慎重に駒組みを進めています。



7局中4局が角換わり系(KKS含む)の将棋という、かなり好戦的な戦いとなり、1手の悪手も許されないという怖い戦いが続きます。

時間が30分を超え、そろそろ形勢に傾きが見られだします。
そして1時間を迎えようとする中、ポツポツと勝負がつき始めます。


なんと、嬉しいことに勝ち名乗りが続々とあがります。
1勝、2勝、3勝、、、そして4勝!
チームとしての勝ちが確定します。
5勝、6勝とまで来て、残り1試合は両者秒読みとなっています。

最後の1局は残念ながら落としてしまいましたが、6勝1敗でチームとしての勝ちとなりました。
それは、なんと、昨年から達成できていなかったチームとしての初勝利となりました。
加えて、個人としても優子さんが社団戦初勝利。努力が実りました。

長い長い夜が明け、ようやく掴んだチーム初勝利です。
リーダーは「チーム初勝利に涙が出るほど嬉しかった。飛び跳ねて喜ぼうかと思った。」 と笑って言っていましたが、リーダーの重圧を思うと頷けます。

ただ、喜んで終わりという訳ではなく、その後も3試合あります。
気を引き締めて、再び、戦いの場に戻ります。


2戦目には、他の新メンバー2人が社団戦初対局を迎えます。
初戦を見て、雰囲気は分かったと思いますが、観るのと指すのは違うのです。

(2試合目)


相手は、ムネキータス。
ベテラン揃いで強豪に見えます。

そう。私たちの課題として、「相手が強く見える」ということがあります。
そうなると、どうしても伸び伸び指せない。
いや、伸び伸び指したところで勝てはしないのだけど(笑)


結果は、2勝5敗でチームとしては負け。
ちなみに筆者は三将として出場し211手の激戦を制し、今期1勝。かなり疲れた。

(最終対局はギャラリーに取り囲まれながら指すことになる)


3試合目は、楽将会21。

チーム名もメンツの顔ぶれからも、明らかに強豪だ。
聞くと、上の部にも出場しており、6部は弱い人で構成されているという。
だが、本当に弱い人だったためしは無い。
案の定、結果も 2勝5敗と、チームとしては負けてしまう。
将棋も老練といった感じで、簡単には勝たせてくれない。



続いて4試合目は、野島心の駒。
このチームも、どう考えても強豪。
惜しい戦いがあったものの、結果は7戦全敗。
ここに来て現実を思い知らされることとなる。
ちょっと反省。


初日の戦いは、
 チームとして、1勝3敗
 個人成績は、10勝18敗
という結果となった。

昨年のことを思えば、上出来であろう。
6部とはいえ、簡単には勝たせてもらえない。
もっともっと強くなる必要がある。



戦いを終えて打ち上げ会場に向かう。



「晴れていて、本当に気持ちがいいですね!」 誰かが言った。
あれ?将棋に天気は関係無いんじゃなかったけ?
いや、やっぱり晴れていたほうがいいや。


(打ち上げに向かう道中にて、スカイツリーを見て写真を撮る)


初日のプレッシャーから解放された私たちは、晴れ晴れとした心持ちとなっていた。
最高の結果だった訳ではない。
でも、全力で戦いに挑むことができた。全力で仲間をサポートすることができた。
その事実に達成感を感じずにはいられなかった。


北尾まどか先生とチームのみんなでビールを堪能した。



今日は研修会例会で社団戦には来られなかった黄さんも打ち上げに来てくれた。
黄さんは研修会4連勝で昇級したということで、お祝い会も兼ねることとなった。
そして、大阪からいらっしゃっている swkk さんも加わり、みんなで楽しく酔っぱらった。


次戦はすぐにやってくる。
気持ちを切り替えて、鍛錬、鍛錬。


次の初戦は、GG将棋会である。
ここで声高らかに宣言したいと思います。(こっそり)


「宣戦布告 GG将棋会、待ってろよ、全力で戦うからな!」


GG 将棋会は、ねこまど26 OB の大野さん(つめつめロード)が率いるチーム。
ここは全身全霊、全力で戦うのが礼儀であろう。
旧メンバーを中心に挑みます。
どうやら強い人も参加しているようなので、こちらも級位者魂で、自分の詰み筋も分からないまま頭に金が乗るまで、ねばりにねばって戦いたいと思います。
(そして終わったら、合同打ち上げしよう!)


ついに始まった今シーズン。
これから長い戦いが続くと思うと、胃が痛くもあり、楽しみでもあり。

もっともっと将棋を楽しむぞ!
にゃー。