2019年12月28日土曜日

[放送後記] "Star Chilid" 渡部愛女流三段を迎えて

予てから将棋とサッカーを絡めた企画をあたためていて、いつかやりたいと思っていたところに渡部愛さんの話が舞い込み、そして実現することとなった。
私はかつてサッカーに夢中だったことがある。ある悲劇 (フリューゲルス) の後は、だいぶんと熱量が下がったのだけれども、それでも年に何回かは近場のスタジアム(三ッ沢)に足を運ぶ。相棒の @mcmaruyama は松本山雅に入れ込んでいる。故郷を離れても地元のチームを応援するのは当然のこと。ことあるごとにソワソワする彼を見るのは面白い。

Jリーグ発足時のチェアマンは地元密着を優先する方針を取った。それにより、時にチームと自分の人生とをオーバーラップさせたりしながら、サッカーを生活の一部として楽しむ文化が根付いた。応援したり、何かを託したり、自分の代わりに何かを成し遂げてくれる存在として、単なるスポーツではなく、心の象徴かのように。



北海道帯広市出身の渡部愛さん。
北海道コンサドーレ札幌を応援するのは自然に見えるかもしれないが、北海道函館市出身の私からすると、「コンサドーレは札幌のチーム」という意識が強く、札幌以外の人はちょっと離れて応援するというのが普通の感覚である。なお、2016年からチーム名に北海道と冠するようになっているので、道内の雰囲気は少し変わっているかもしれない。

何を言いたいかというと「きっかけ」で人は変わるということである。放送内でも触れているとおり、最初は野月八段の誘いで棋士たちでサッカーを観戦し、徐々にその魅力にとりつかれていった。何かのタイミングでサッカーの中に何かの面白さを見出したのであり、それが一般人と同様な性質なのか、あるいは棋士という職業からくる何か違った感覚から発見したものなのか。


団体競技のサッカーと個人競技の将棋とでは、もちろん違う部分の方が多い。
サッカーのプレイヤーは絶対に自身のゲームをリアルタイムで俯瞰して観ることができない。もしサッカープレイヤーが自らプレーしながら、同時に俯瞰図も見ることができるとしたら、プレーの精度はどのぐらい上がるのだろうか?と思う。将棋は盤全体を俯瞰しゲームを進める。駒を人に見立てると、神の視点で動かすことができるし、100%自分の意思で駒を動かす。もしかしたら、サッカーの進化系は将棋なのかもしれない。

愛さんが、将棋とサッカーをどのような関係性で考えているのかの一端を、この放送で少しわかったような気がする。そして、一人のサッカーファンとして、愛さんがよりサッカーの深みにはまっていくことを歓迎しているし望んでいる。


今年の漢字は「試」を選んだ。
女流王位のタイトルを失ったものの、新しい世界も開けてきているようである。
なんとなくの私の感覚でしかないけれども、渡部愛は忙しくしている方が自分自身を見失わないような気がする。ポジショニングサッカー。状況に合わせて常に動くタイプ。いろいろなことを試して、ちょっとずつ感覚を磨いていくだろう。

Star Child とは、星間システムを結ぶ象徴。
将棋とサッカー、あるいは団体と団体。
絶妙なポジショニングでバランスを取り、試合全体をコントロールする。いずれ、そういう存在になるのかもしれないし、それが彼女の運命なのかもしれない。






(写真 @VodkaIceBerg)
(文 @totheworld)


2019年7月16日火曜日

[放送後記] 加藤桃子女流三段 「純心」

ねこまど将棋チャンネルで棋士・女流棋士をゲストとして迎えたのは今回を含めて18回となる。そのうち、わざわざ事前の打ち合わせを要望したのは二人。長岡裕也五段と加藤桃子女流三段である。生放送ということもあり、こちらも放送事故的な惨事にならないように配慮を重ねて台本を書いている。更にその上で、わざわざ時間を割いて事前打ち合わせをする丁寧さには頭が下がる。

ご存知の通り、加藤桃子女流三段は2019年3月末を持って奨励会を退会し、4月から女流棋士の道を歩み始めた。既に計8期の女流タイトルを獲得していることから、外野から見ていると何ら違和感は無いのだけれども、24歳の決断は大きなものであったと思う。
私は少しだけ遠慮がちに「生放送内でも触れる事があると思いますので、率直に話していただけますか?」と頼んでみた。少しは躊躇もあるかと思ったが、そんな素振りも無く二つ返事で快諾してもらった。

私は第2回電王戦からの将棋ファンなので歴が浅く、奨励会について知識はあるものの、どの程度触れて良いものか未だ分からない。
最近、ねこまど将棋教室でも講師として活躍する藤田一樹 指導棋士三段(元奨励会ニ段)と交流ができ、「里見香奈にボコボコにされた男」(奨励会では全く勝てなかった)と茶化して人に紹介するぐらいにはなれたものの(藤田さんゴメンね。でも一発で覚えてもらえるよ)、それは彼が退会してから5年も経っているし、明るいキャラクターだから許容範囲っぽいのを感じられるからであって、他の奨励会経験者には容易く聞けない。

ねこまど将棋チャンネルやその他ねこまど関連イベントでスタッフとして関わっているなかで、棋士・女流棋士の方々と話す機会が増え、そしてその中で「加藤桃子さんはいい子だよ」という話を聞くことが、実は今まで何回もあった。加藤桃子の何が棋界の人たちを虜にしているのだろうか?加藤桃子は魔性の女?いやいや、あの加藤桃子に魔性という単語は似合わないだろう。などと答えの出ない問題を抱えていた。だから今回の裏テーマは、「加藤桃子の何が人々を惹きつけるのか」である。

故郷の牧之原市(旧榛原町)の話から始まり、REIWA将棋教室、これからの目標という順番で話を進める。

1. 山を見ると心が落ち着く
2. 海を見ると心が落ち着く
3. お茶を飲むと心が落ち着く
4. ミカンと言えば、青島ミカン
5. 新しいことにチャレンジするのが好きだ
6. 指導対局では厳しい方だ
7. 教えるのも好き
8. 将棋を指す女性が増えたと感じる
9. 将棋は楽しい
10. 女流棋士となり心機一転、取り返さなければならないモノがある

(私物のコウペンちゃんグッズが並ぶ)

ハキハキと喋り、コロコロと良く笑う。
若くても大人びた人が多い(あるいは観客層に合わせているとも言える)将棋界において、数少ない純心かもしれない。
加藤桃子の将棋は筋が良いという言葉がピタリとはまる。勉強していますという将棋であり、それは熱心に将棋に取り組んでいた子供の頃を思い出させるかもしれない。純粋に将棋に向き合う心。純心。
勝負の世界においては「勉強」から「研究」に変わる。その過程において、たぶん、「楽しさ」から「仕事」へと変わるのだろう。そして、いつしかあの頃の感情を忘れてしまう。でも、自らを高める勉強の大切さは普遍であり、そのことに気が付かせてくれるのが加藤桃子という存在なのかもしれない。

加藤桃子の将棋は教科書にしたい将棋であり、例えば、将棋の森で基礎を習い、さらに強くなろうという女性は絶対にお手本にすべきだろう。将棋の勉強の先には、このような完成形があるということを知るのは大きい。(なぜ、ねこまど将棋教室じゃないんだ?笑)

生放送後は踊りを踊る。
その様子は TicTok で公開した。でも、きっと TicTok を使っていない層が多いであろう将棋民のために、こっそり別バージョンをニコニコ動画にも投稿している。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm35363894



数日後、伊藤沙恵女流三段とのコラボレーションイベントがねこまど将棋教室で行われ、そこでもまた加藤桃子女流三段の素顔を垣間見ることができた。言えるのは二人とも将棋に真摯に向き合っているということ、特に棋譜を残すことを使命としていることが伺えた。勝つのはもちろんのこと、将棋の進化と歴史に貢献しようとする覚悟を感じた。そういう部分でのシンパシーが互いの信頼感を醸成しているようであった。

「もっと個性のある将棋を指したい」と加藤桃子女流三段が言う。
私は、もう彼女の将棋から十分に個性を感じるし、棋譜を見ると絵画を鑑賞したかのような感銘を受ける。
加藤桃子ファンは、もっと加藤桃子を称賛しなければならない。加藤桃子の将棋をありとあらゆる表現方法で、その人なりの表現でもって大きく叫ぼう。そこに棋力は関係無い。たくさん肯定すればするほど、加藤桃子の強さは比例していくはずだ。

いつの間にか加藤桃子ファンになっている自分がここにいた。


(文 @totheworld / 写真 @VodkaIceBerg)





2019年7月12日金曜日

[放送後記] Stand By You 青嶋未来五段 光溢れた夢の続きは君と共に

棋士は血の通った人間か?

安恵門下の兄弟子 永瀬叡王を見ていると全ての喜怒哀楽を超越した存在にならなければならないのかと思う。それでなければ人間を越える鬼 -タイトルホルダー- にはなれなのかと。才能のぶつかり合いの中で抜きん出るために魂の炎を激しく燃やす世界の住人になることを選択した人を、私たちはただただ傍から見つめているしかない。心模様は分からないし、かの才能を測る物差しだって持っていない。でも、彼らと私たちのコミュニケーションの媒体として将棋がある。もちろん、それは表面的な事実だけを知るためだけの共通言語でしかないのだけれど。

青嶋未来の才能を疑う者はいないだろう。
プロデビューは早くなかったものの、将棋ウォーズの垢バレなどもあり、将棋ファンにおける認知度は高い。
いつ爆発的に勝ちだして檜舞台に躍り出ても不思議ではない。
ただ問題は、そんな同世代の若者が本当に多いということである。加えて、ベテラン勢となったH世代もまだ一線級で戦っている。

棋士の日常は良く分からない。
最近はソフト研究を主として、人相手に練習しないことも増えているという。
ますます人物像が見えてこない。
私は青嶋未来はどのような人物なのかを、僅かな手掛かりをもとに考えた。

そんな中、トークライブの前に大きなニュースが舞い込む。
 青嶋未来 全日本チェス選手権 優勝
兼ねてからチェスの名手となっていたことは伝え聞いていたが、まさか日本一の称号を得るまでになっているとは知らなかった。彼は優勝した後、喜びを爆発させて咆哮したのだろうか?クールに見える青嶋五段でも喜ぶことはあるのだろうか?などと想像した。

用意した10の質問は以下。

1. 対局の前は良く眠れるほうだ。
2. 勝負事が好きだ。
3. 負けず嫌いだ。
4. 好奇心が旺盛なほうだと思う。
5. 一人の時間は大切。
6. 家でも歌う。
7. 自分の声は良い声だと思う。
8. 詰将棋は必要!
9. 棋士にとって寝ぐせは重要だ。
10. ズバリ聞きます。今、1番好きなのは将棋だ。

お分かりかと思うが、一番聞きたかったのは 10. である。
将棋民は棋士がチェスで好成績を上げると嫉妬する傾向にある。心配もする。
青嶋五段は、何の迷いも無くスッと〇を札を上げた。
私が書いた台本の役目はこれで終わりだ。この言質さえ取れれば、あとは何だっていい。

トークライブで青嶋未来は若者らしく笑い、時に戸惑い、観客とのやりとりを楽しんでいた。少なくとも、彼は観客の前では人間だった。

生中継を終えて、カラオケの話になると更にテンションが乗ってくる。
嬉々として分析して講義する青嶋先生は本当に楽しそうだし、こちらも楽しくなってくる。

カラオケの採点表、机にはチェス、ホワイトボードには五角形のチャート。
凡そ将棋教室とは思えない風景だ。カオス。
人前で語れるほどなのだから、これはもう趣味の域を脱している。そんな様子をみんなで一緒に楽しんだ。
決して自分から盛り上げていくタイプでないものの、求められれば応える男。実は人懐っこい。菅井七段に少し似ているかもしれない。

私は棋士がどのように生き抜いていくのか、どのように頂点に立てるのかの方策は知らない。どのように応援して、彼らの力になれば良いかも分からない。でも、今日この時に集まった者で共有した時間によって形成されたであろう縁が、何かの時の最後の一押しになってくれればと思っている。まだ夢の途中。光の先の未来に一緒に共に立つ日は遠くないと願い、私はこのナンバーを選曲する。

"Stand By You"
Official髭男dism

Stand By You いつも Stand By You
未来がハイになる 君と歌になる
Stand By You 眠らない街の喧騒を抜け出して
Stand By You 光溢れた夢の続きは君と共に

(文 @tothewolrd)



2019年5月25日土曜日

第9回 女流棋士の知と美 ライブプロダクション

天カメを設置してプロジェクターに投影するという単純な仕事ではありますが、対局者の姿も同時に見せたいとなると映像合成が必要となります。
今回は XSplit (有料版)を使うことにより、以前、気になっていたウインドウ枠が映り込むことがありません。

今回は Switch の実演があるため、映像素材の入れ替えがあります。別にしておくことも物理的にはできるのですが、手持ちのPCでは非力すぎて安定しないため、スイッチャーで切り替えることにします。



設置するだけで1時間。天カメ調整に30分以上。Switch の配線検討とリハに1時間と、朝から準備を進めているものの、全く余裕がありません。

色々とミスはあったのですが、なんとか本番を終了。
撤収にも1時間ぐらいかかります。
ステージを楽しむ時間などなく、ただただ集中して、そして慌ただしく片付けて終了。
とにかく疲れました。

2019年4月7日日曜日

[放送後記] 長岡裕也 五段を迎えてのトークライブ 「羽生善治 × AI」

ようやく春らしい陽気を迎えた東京は、朝から晴れて気持ちが良い。
2019年4月6日、つい先日には新しい元号が発表され、人々は平成の振り返りと新しい時代への期待とが入り交じる日々を過ごしている。

平成を代表する棋士といえば「羽生善治」と答える人が多いかもしれない。羽生善治氏は1985年12月18日にプロデビューを果たしている。平成が始まるのは1989年。羽生氏は昭和生まれ・昭和デビューではあるが、1990年(平成二年)に竜王タイトルを獲得してから快進撃を続け、平成30年末に竜王タイトルを失うまでの間に99期ものタイトルを保持したことからも、平成は羽生の時代と言っても過言ではなかろう。

今まで事あるたびに羽生氏は分析された。
各界の一流人が対談し、脳科学者はMRIで羽生の脳をスキャンした。
それでも彼の勝負強さがどこから来るものなのかは解明されることはなかった。
しかし、近年の将棋ソフトの著しい進化により将棋は数値化されるようになり、羽生の将棋も徹底的に研究される対象となった。今まで棋士が束になっても分かることが無かった羽生の一手、あるいは究極の一手が解き明かされつつある。かつて、羽生にだけ見えていた世界が、AI によってこじ開けられつつあるのだ。

誰しもが知りたい羽生善治の強さを間近で長く感じている棋士がいる。
テレビ番組で「羽生の右腕」として紹介され、10年にも及ぶ VS (ブイエス - 1:1 での練習将棋) を続けている相手、長岡裕也 五段である。

羽生善治との対局はそれが非公式といえども誰しもが望むものである。
「羽生善治 × AI」の中でも触れられているが、「なぜ長岡裕也が?」ということについては羽生本人に直接聞くのは無粋というものだ。だが羨む周囲が大いなる推測をしても構わないだろう。

今回のトークライブの開催にあたって、長岡五段の要請により異例の事前準備が行われた。いつもは棋士・女流棋士が当日来てパッとやるというスタイルで、運営側だけの準備だけで足りている。だが長岡裕也は完璧を求めた。2週間前に3時間に及ぶ打ち合わせで内容のすり合わせを行い、4800字の進行台本に目を通した。私たちは打ち解け、慣れ、余計な探り合いは不要となった。



この真摯に向き合う姿勢が羽生の心を動かしたのかもしれない。
なんとなく、私はそう思った。


番組の様子は YouTube のアーカイブを観ていただければと思う。



番組内で紹介された本
勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント

生放送終了後は会場からも多くの質問があがり、一つ一つに対して丁寧に回答いただいた。
「羽生先生に本について報告しました。"長岡君が書くの?"と2回聞かれました。」の件は面白い。
そして、「羽生先生は読んでいないと思います。普通、読まないですよね?(笑)」ということで、読んでいないだろうという見立てです。

トークが終わり、丁寧にサインを行い、その間には台湾で行われている叡王戦の様子も気に掛けつつ、全ての予定をこなすと午後11時を廻っていた。

「羽生先生は神ではないですよ。人間です。当たり前のことを積み上げていくことに強さがあると思います。」

羽生の右腕は、そういって笑う。
私たちは、その「当たり前のこと」が高度で膨大であることを知っている。それを続けることがいかに難しいことであろうことも想像できる。

AI が将棋の解明を手助けをし、羽生だけが見えていた世界が羽生だけのものではなくなりつつある。それを一番感じてるのが羽生本人であり、その変化を感じているが長岡裕也である。

いつか将棋は暗記と計算のゲームになってしまうかもしれないという憂慮は、第一線で戦うプロ棋士の多くが持っているかもしれない。この10年とこれから先の10年は近似値的に比例するグラフを描くがごとく進むか、あるいは更に加速していくのか。将棋の魅力は褪せることは無く、人々は盤上の戦いに心奪われ続けるのだろうか。

今を記憶しよう。 もがき、熱中し、探った日々を記憶にとどめよう。
いつか時代は変わり、多くは過去の記憶をも消し去り無かったものとして扱われる。
だからこそ、今をしっかりと記憶に焼き付けよう。私たちが羽生善治と歩んだ平成、そして、その記憶を確かに裏付けてくれる書籍と共に。
「羽生善治 × AI」と共に。

(文 @totheworld)

2019年3月31日日曜日

[放送後記] 門倉啓太五段を迎えてのトークライブ

桜咲く東京の春。
この数日は満開を迎える桜を前に花冷えが続いている。
あと1か月足らずで平成が終わる。元号という制度による区切りでしかないものの、人々は平成として過ぎ去った30年を思い返す。時にして振り返ることも、自らの存在の確かさを証明するのに必要かもしれない。

近年の将棋ソフトの隆盛により、将棋は初手から点数がつけられ、リスクを許容する指し手が減ってきている。序盤で飛車をどこかの筋に振ろうものなら、すぐさまにマイナスを表示する。振り飛車党 冬の時代と言われ、ソフトに咎められても自らを信じる力を持つ者だけが序盤を創造する希望を託される。

その一人が、今回のゲストでもある門倉啓太五段である。

棋士とは何者か?を探るのが、ねこまど将棋チャンネルのミッションでもある。
ファン代表として、素朴な疑問を10の質問で聞いてみた。

1.       将棋界では一番背が高い
2.       ニックネームの「カドック」は気に入っている
3.       書道が得意だ
4.       対局の前日は良く眠れる
5.       対局の日の食事の注文は迷わないほうだ
6.       対局には必ず持っていくものがある
7.       棋書を書くのは好きだ
8.       将棋を覚えたら、まず振り飛車を指すべきだ
9.       将棋は先手が好きだ
10.    先手で78飛を指せば勝てる!

そして、2つの無茶ぶりにも答えていただきました。

1.新元号を予想してください!
門倉五段の答えは、「棋栄」という教科書のような回答。
「きえい」という読みは当たるかもしれません。
鬼影とか、鬼詠かもしれません。羽生さんという鬼が国民栄誉賞となる時代ですからね。

2.マニアッククイズ出してください!
プロ入り後の門倉四段(当時)が 2014年のA級順位戦 最終局 三浦-久保 が一番長かった記録係としての対局ということで、その終局時間は?というのが問題です。

 A. 2時
 B. 3時
 C. 4時

ちなみに、この時の一斉対局は静岡の浮月楼で行われ、通常の10時開始よりも1時間早く9時から対局が開始されています。
1時間以上も秒読みが続く大激闘で、正座で通した門倉先生も最後は疲れ切ったようです。




今回、新刊 「振り飛車の新機軸! 初手▲7八飛戦法」が発売されました。
振り飛車は、どのような戦型でも概ね相手を気にせず駒組みをできる利点があり、今回の初手 7八飛 は、更に先手駒組みを有利に進めようとする作戦です。




放送後の観客からの質問は駒組みに関することに集中しました。
ストロングです。
今回の客層は将棋に真面目に取り組む向上心の強い指す将です。素晴らしい。

講座の宣伝もします。
集中して覚えれば武器になること間違いなしです。


新元号がどうなるのか、新しい将棋界はどうなるのか、これからも楽しみですね。

(文 @totheworld)

2019年3月17日日曜日

【放送後記】山根ことみ女流初段を迎えてのトークライブ

ねこまど将棋チャンネル vol.35 

第9回 女流棋士の知と美」が2019年5月20日に開催されることとなり、宣伝も兼ねて、山根ことみ女流初段にお越しいただき、ねこまど将棋チャンネル vol.35 を放送しました。

関東に移籍して半年、ニコニコ、abemaTV への出演もあり、その名前も将棋界の中では全国区になってきている。

ねこまど将棋チャンネルの重要な方針として、ゲストのパーソナリティが分かるように伝えたいという思いがある。
今回は不思議少女とうまくコミュニケーションを取れるだろうか・・

生放送が始まる前に色々と準備。

それは「自撮りチェキ」。
#知と美 での物販に取り入れられないかと考え、今回試し撮りをして観客にプレゼントすることにしました。



これで少しリラックスしてもらい生放送に臨みました。

「女流棋士の知と美」に出演したかったという山根女流。
関東に来てからは「ことみん」の愛称で呼ばれていますが、愛媛の時には「ヤマネコさん」と呼ばれていたそう。私が事前に予想していた「ヤマネン」はかすりもしませんでした。

そうそう、ことみん。
芸能人で例えると、島崎遥香上野樹里を足したような感じだと思います。
昔の山根さんを知りませんが、どんどん綺麗になっていますね。

知と美で、どのような着物に身を包むのか楽しみですね。
きっととても似合うと思います。

そして、
若手の中では才能がある有力株ですので、何かのきっかけを掴めば大きな舞台へと進んでいきそうです。



女流棋士の知と美では間近で対局を観戦し、物販等で直接 応援の言葉を掛けることもできます。一人一人の応援が、きっと彼女の背中を押す力となると思います。ぜひ、会場にお越しください。

また、ことみんがツイッターを開始しました。登録しよう!
twitter @kokoko6987

ねこまど将棋チャンネル vol.35
山根ことみ女流初段 トークライブ
https://www.youtube.com/watch?v=oJl8HEV4Ln8



(文 @tothewold)





2019年2月23日土曜日

[収録中] 2/23(土) 山本博志四段 全3回「平手初心者のための楽しく覚える三間飛車入門講座(集中レッスン)」」

 2/23(土) 山本博志四段 全3回「平手初心者のための楽しく覚える三間飛車入門講座(集中レッスン)」
http://nekomadoblog.jugem.jp/?eid=1841


本日は講座の収録を行っています。編集した後に、ねこまどオンラインにて公開されます。

(最初の挨拶を撮って出し)

「三間飛車 最高!」を声高に叫ぶ山本博志四段は、デビュー後、現時点で3勝2敗。三枚堂・佐々木(大)の同世代の二人には負けているものの、三間飛車が故に負けているわけではない。むしろ序中盤は有利に進めていることから、三段飛車の戦法が否定されているわけではない。

山本四段の講座は今までも数回、ねこまど将棋教室で行われている。
とても分かりやすく、丁寧に三間飛車の魅力と「勝つポイント」を教えてくれる。本を読むのも良いが、講座を聞いて視覚と音声で理解するのも良い方法。

山本四段の講座は雑談がほとんど無いストロングスタイル。
物腰も説明も柔らかだが、集中してついていかないと置いて行かれる。

なので動画を収録しています。
ねこまどオンライン、まずは会員登録(無料)してね!


2019年2月5日火曜日

豊川七段の達観

ねこまど将棋チャンネル 豊川七段のトークライブを終える。
ファンを大切にする姿勢を見せてくれる豊川先生だが、たぶん、勝負の場になると豹変するんだろうなと感じさせる。それは二面性ということなのだけれども、勝負師だから当然だと思うし、むしろ、ファン向けの顔ができる人というのは器用な人なんだろうなと思ったりもする。あるいは家族に見せる顔も違うかもしれない。三面性。あるいは自分ひとりの時はまた別の顔かもしれない。四面性。

ある種、人生を達観しているようにも思える。
そこはかとないパワー。それはファンに向ける明るい笑顔とダジャレのオンパレードというような分かりやすい表現とは別の、なにか異質のエネルギーを感じる人、というのが私の率直な感想です。

私は人間の本質を探ったりするのが好きだ。だから考えすぎているだけかもしれない。でも感じたことを書き記すことが私の役目。将棋が文化として成立するには、私を含めた多くの無名の人の考えや感情が残されなければならない。それが体系化されなければならない。

さて、豊川七段アイデアの「格言ってニャンだろう」という講座を作ろうという話をしています。なんとか形にしよう。

おちゃめな豊川先生


2019年もやることが多い。

(文:@totheworld)