2017年12月30日土曜日

吉田将棋碁盤店に行ってきた

駒doc. の取材があるというので同行してビデオカメラを廻してみた。
前々から興味はあったのだけれども、いかんせん、遠い。

数時間にわたるインタビューを十数分にまとめたものを YouTube で公開しました。


見どころは良い盤の見分け方だろう。
脚の機械彫りはチェックすべきポイントだ。

良かったら動画見てください。

2017年11月15日水曜日

第七回 女流棋士の知と美

里見咲紀 女流初段の指導対局があるというので "客" として参加。
ついでに動画を撮影。
里見さんは指導対局の後、撮影の仕事があるということで指導対局会が始まる直前の合間の時間に動画を撮りました。



教室はカメラ的には暗い空間なので、明るいレンズを使う必要があります。
それでも暗いのだけど致し方ない。

にしても、咲紀さん美人過ぎて困ってしまいます。
指導対局の方は、超攻め将棋で悠長な駒組みを許してくれないという速度で攻めてきます。怖い怖い。

知と美が楽しみですね。


2017年8月21日月曜日

配信のメモ

配信に関して備忘録的な。
生配信は簡単なのだけれども、月に1回なので結構忘れることもある・・

基本構成は、Windows PC + OBS + Wifi (4G LTE) で、これに機材を足していく。

一番安定して動作するのは、
 映像 : JVC Everio (HDMI Out) -> AVerMedia AVT-C875 -> PC In
 マイク : マイク -> Yamaha AG-06 -> PC In
の構成。
AVT-C875 は少しクセがあるが、一度、ちゃんと動作しだすと安定している。
音声(映像)の遅延も発生しない。
マイクは雑音が入らないのが良い点だが、マイクから離れると声を拾わない。

映像を SONY NEX VG-10 (HDMI Out) にすると映像が少し遅れてやってくる。
これは OBS の設定で調整可能ではある。

Vol.20 では、Zoom Q4n を使ってみた。今まで記録用としてしか使っていなかったが、HDMI Out があるから試してみたかった。Zoom Q4n は超広角、録音音質も良いのでライブステージを記録撮影するには最適である。

HDMI 機器の場合、HDMI Out の時、映像だけではなく音声も出力しているはずで、OBS のゲージでも音声が入っているのが分かるが、Vol.20 の冒頭では実際には音声が配信されなかった。PC のマイクをオンにして配信を再開した。結果としては、これが Zoom Q4n からの音声のオンにもなっていたようだ。配信映像を見返してみると、音声は Zoom 品質のようだ。

戸辺七段の回ではガンマイク RODE NTG2を使った。さすがの音質。大きいので固定ではなく音声担当が上から拾うのが良いが、我がチームは人がいないので据え置きで使った。マイクが映像に写り込まないようにする工夫が必要。

RODE NTG2 を AG-06 に通して SONY NEX VG-10 に外部入力させると大きくノイズが出る。ホワイトノイズの比じゃない。S/N比がおかしくなったかのよう。
しかし、同じように Zoom Q4n に通すとノイズが出ない。
NEX VG-10 の不具合化と思い、ADZEN SMX-10 に変えて外部入力してみると問題ない。ADZEN SMX-10 を Zoom Q4n に入れても問題は無い。
AG-06 の不具合かと思い、電源を変えたり、ケーブルを変えたりするが、AG-06 + SONY NEX VG-10 の構成でのみ大きなノイズが発生する。相性だろうか。
RODE NTG2 から直接(AG-06を通さず)、SONY NEX VG-10 に外部入力するのは試していない。変換コネクタを持っていないからだ。

Vol.20 では、写真を見ながら話をするというスタイルで、この写真をどのように配信に乗せるのか、いくつかの方法があるのだけれども、別ウィンドウ、ゲームソースなどがなぜかうまく作動せず、Web の別画面をキャプチャーするという方法で行った。だが裏では、なぜかセカンドスクリーンが認識されず、メインスクリーンを北尾先生に操作してもらい、セカンドスクリーン側に OBS のウィンドウを持っていき私が操作した。

自宅での準備と、ねこまど教室に移動してからの動作が違う事も度々。
生配信には苦労が尽きない。

次は YouTube + 他のストリームという二重配信を試してみたいと思っているのだが、アップロードが 4G LTE で足りるかどうか少々不安。実際、上りで 500M も出れば上出来で、実際にはその半分以下だったりする。配信用PCのスペックは十分なので、いずれはトライしてみたい。ねこまど将棋教室に光回線が入ればできるのだろうけども。

なお、配信用の機材は全て私物持ち込みである。
そのため、私は毎回スーツケースで移動している。移動放送局。どこからでも、そこそこの画質と音声で配信可能である。

2017年7月25日火曜日

[観戦記] 北尾まどかの戦い マイナビ女子オープン一斉予選 2017.7.22

梅雨明けしたばかりの東京は、それでもなお湿った重い空気がじっとりと肌にまとわりつく。2017722日土曜日、東京 竹橋は熱気と冷気が入り混じることになる。マイナビが主催する将棋マイナビ女子オープンのタイトル戦は、獲得すると<<女王>>の称号を得ることができる。女王とは、なんとも艶めかしくも輝かしい響きだろうか。

この日は、女流棋士、予選を勝ち抜いたアマ選手が本選トーナメント入りをかけて一同に会している。将棋の対局には珍しい「公開対局」の形式により、観客が見守る中で複数、同時に対局が行われることもあり、多くのファンが会場に駆けつけ会場は期待と熱気に満ちている。

いよいよ会場の準備が整い、対局に臨む女流棋士達が一斉に入場し、ここが女の戦いの場であることが認識される。空気は一変する。それは女流棋士達の表情である。ある者は力強く、ある者は伏し目がち、ある者は怯えたようにも見える顔で観客の前を進んでいく。その様相から感じることは、これは熱き戦いではない、「これは冷徹な戦いだ」ということである。ここは冷たい刃を抱えて挑む、生きるか死ぬかの戦場なのだ。

[対局会場入り口]


午後には、北尾まどか女流二段の対局も行われる。
対局の前には「対局スポンサー」の記念撮影がある。この対局スポンサーという制度は、該当の対局にファンがスポンサー(お金を払って)をして応援するというユニークなもので、ファンが棋士を直接応援する数少ない手段の一つでもある。対局者の二人とスポンサーとで写真を撮影するというサービスもある。これは対局前に行われることもあり、何か不思議な光景。なぜなら、対局者は対局相手と顔を合わせ、スポンサー含めて3人で和やかに写真に収まらなければならないからだ。その後、30分もすれば対峙して戦っているというのにだ。

さて、ねこまど将棋チャンネルとしては、この制度に一枚嚙まない訳にはいかない。対局者との撮影の際に小道具を持ち込んで撮影したのが、この写真。そう、我らは「ねこまど将棋チャンネル」チームなのだ。

[チームを代表して記念撮影 / 田中沙紀さん了承済み]

北尾まどか女流二段の対戦相手は、チャレンジマッチから勝ち上がってきた田中沙紀アマ。激戦の予選を勝ち上がってきていることもあり実力は折り紙付きだろう。さて、どのような棋風なのだろうか。

両者、気合の入った面持ちで盤を挟み挨拶を交わす。振り駒は歩が三枚。北尾女流の先手で対局が始まる。初手2六歩。居飛車宣言。対して後手は、6二銀。後手はそして、3二金、1四歩、5四歩と時間を使わずに駒を進める。用意してきた作戦は角交換を拒否しての相掛かり調の力戦か。(本局の棋譜は公開されていないため、本記での全記載は割愛します。なお中継された貞升-田中も同様の序盤駒組となっている)
 
[後手の駒組み]

変則的な出だしに北尾女流は慎重に時間を使う。相手の真意を確かめるように少しずつ盤上に広がる海に潜りだす。棋士が前のめりで揺れながら考える様は、ダイビングでゆっくりとフィンを掻くのと似ているのかもしれない。呼吸を整えながら意識を集中し、深く深く、さらに深く、浮力に逆らい海溝を下り、暗闇の先に光る地球の核をめがけて。
両者の駒組が落ち着く30手頃には、先手だけ既に17分もの時間を費やしている。盤側から見ていると些か不安になる。持ち時間30分、秒読み60秒という早指し棋戦は当然時間が少ない。

中盤は相居飛車らしい一進一退の小競り合いが続き、65手付近から均衡が崩れそうな局面になる。いわゆる終盤の入り口と言われる局面だ。この頃には後手も時間を使い切り秒読みに入る。後手の形勢がやや悪くなりかけそうな局面に差し掛かり、田中アマは小首を傾げながら前傾姿勢になり、時折、「いやぁ」と声を漏らす。それでも未だ形勢判断は難しく、両者綱渡り、一歩間違えると奈落の底。この状況でも対局者は将棋という名の舞台の上で、舞を踊り続けなければならない。一方が倒れるまで。

69手目、北尾女流は4五歩をグリグリグリと盤にめりこむように指す。この“グリグリ“は、いわゆる「指しやすい」とされる局面で現れる。後手の堅陣から金を離し、攻め込む糸口が見える局面を作り出す、盤上この一手。先手、やや指しやすい。

北尾将棋は引かない将棋とも言える。攻めでも守りでも相手の主張を受け入れない。本人は攻めが好きというが、いや違う、突っ張り将棋だ。自ら進む道を切り拓くが如く、盤上でも主張を続ける。「こっちのほうが良くないですか?」とでも言うように。

本譜、巧みな受けからの反撃で駒得し、先手良しとなるものの、後手は丁寧に大駒を遠ざける守りの手を指し続け、同時に堅陣を再構築していく。後手は歯を食いしばってという表現がぴったりの苦しい受け方だったものの、やがて3筋には銀金金金と縦に並ぶ壁ができ、2筋の玉を堅固に遮蔽する。

[後手 金銀タワー]

先手からは手掛かりを作るのが難しく、残念ながら角2枚と龍が遊んでいる。駒得が生きない模様となり、1手ごとに後手からじりじりと小駒で迫られる先手はやがて守勢となる。130手、150手・・・・それでも簡単に土俵を割らないのは、観戦している私たちを意識してか。最善の受けを続け、粘り強く指し続ける。これは公開対局、そう簡単に投げることはできないという思いもあるのだろう。周囲の対局は徐々に終わっていき、本局と隣の長沢-北村戦の2局だけ残される。長沢-北村戦は相穴熊の戦いらしく、長い長い終盤となっている。私が座った場所からは、北村桂香女流初段が小さな体を揺らしながら懸命に指している様子が見える。隣も秒読み、こちらも秒読み。時折、記録係による秒読みのカウントがシンクロする。

長く苦しい1分将棋が続いた末、先手玉は引きずり出され前後から攻められ、一方の後手玉は攻めが届かない場所で鎮座している。両者秒読みに入ってから100手を越す大熱戦もついに終わりに近づいてきている。

後手、174手目に7五桂と王手をかける。いよいよ難しい。
少考、少し頷き、そして「負けました」と明瞭な声で先手が投了する。後手の着手から先手投了までの時間は30秒足らず。最後を待つ僅かな時間は全ての指し手が凝縮される時。私には永遠にも感じられた。
感想戦で先に声を出したのは北尾女流。田中アマも疲労困憊の様子。勝者はすぐに次の対局が控えている。簡単な感想戦を終え、駒は駒箱に仕舞われ、礼をして対局は静かに終了した。


以前、長沢女流から「みなさん、まどかちゃんのファンなんでしょ。羨ましいわ。」と言われたことがある。社団戦でチームを組み、ねこまど将棋チャンネルというインターネット放送を始めた。「ねこまど将棋教室」の場で楽しむために集った仲間は、北尾まどかのファンというよりは、北尾まどかが繰り出す次の一手を面白がる人たちかもしれない。便乗して自分たちも楽しんでいる。改めて応援するというのは気恥ずかしさもあるが、それでも気持ちは持っている。メンバー一同、北尾まどかの人生を応援している。それがまた次の夢に繋がっていく。その夢の話は、また別の機会に。

11回マイナビ女子オープン一斉予選が終わり、本選トーナメントの組み合わせが行われた。タイトル挑戦には、まだまだ勝ち進まなければいけないのだ。北尾女流を破った田中アマは、貞升女流に敗れ本選入りを果たすことができなかった。小野ゆかりアマが唯一アマチュアで本選入りを果たしている。ねこまど将棋チャンネルに出演した女流棋士からは、香川愛生女流三段、長谷川優貴女流二段が次へと駒を進めた。トーナメントを勝ち上がり、加藤桃子女王に挑むのは誰となるのか。

[マイナビ女子オープン]

観戦を終えて、ねこまど将棋教室へ。
今日は「ねこまど1日道場」と称して自由対局の場としている。北尾先生の留守を預かるのも社団戦メンバーだ。多くの来客を迎え、運営、お客さんの相手にと奮闘していた。
決勝局を少し見届けた後、私は竹橋から四谷に向かった。既に北尾先生が教室に戻っており、多くの将棋仲間が真剣に将棋を指す姿を暖かく見守っている。将棋がそこにあれば、人が集まり将棋を指し、誰しもが自分の将棋に熱中する。我を忘れて目の前の一局に没頭する。将棋というのはそういうものだ。のめりこむのが礼儀だ。

[ねこまど1日道場]

夜になり、#シタチューから中華料理を買ってきてビールを飲む。即席の宴会。初めて会った人たちとも将棋の話題で盛り上がる。楽しいひと時。結局、散々飲んで、散らかして、ちょっと片づけて帰宅。ここが楽しい場だから、私たちはついつい甘えてしまう。いつも何とお礼を言ってよいのか分からない。だからまた足を運ぶ。

帰宅途中で北尾先生からお礼のメッセージを受け取る。いやいや、お礼を言うのは私の方ですよ。真剣に将棋を指す姿を拝見させていただき、その後、教室で遊んだ。こんな楽しい日はそうそう無い。だから今日の日を観戦記として残しておきたいのです。私は楽しい記憶を紡いでいきたい。誰かの歌から拝借するなら、縦の糸は将棋で、横の糸は将棋を楽しむみんな。その織物の図柄は北尾まどか考案です。一人では成し遂げられない大きな大きな織物が完成するとき、2017年初に語ったあの言葉が思い起こされるでしょう。

[将棋で世界征服]

長い一日が終わる。
でも戦いは終わらない。
女流棋士 北尾まどかは宣教師ではない、終わりなき戦士である。誰かが見ていようともいまいとも常に戦っている。だが忘れないで欲しい、それは孤独な戦いではない。取り巻く全ての人が一緒に戦っているということを。将棋を愛する人たちの夢を乗せて。
Go Fly and Fight, Madoka!


( @totheworld)

2017年7月18日火曜日

[放送後記] 軽快さは爽快さを生む - 戸辺誠七段の夏

高校球児のような日焼けをした戸辺誠七段が、棋風と同じく軽快に話している。
彼を棋士だと知らない人は、彼のことを棋士だと推理することはできないだろう。見るからにフットワークが軽そうであり、その健康そうな体躯で、高校の体育教師とも思えるような風貌である。豪快というには雑さがなく、繊細というような華奢さがない、体育会系というほど汗臭さもなく、スポーツマンと表現した方が良いかもしれない。
盤上では戸辺攻めの異名の通り、常に攻めの手筋を考えている。ということは、見た目からは想像もつかないほどにギラギラした心を持っているのかもしれない。

将棋の棋士ほど内面が分からない人種はいないだろう。
もし相手が何を考えているのかが分かることができたら、棋士はまず対局相手の読み筋を知りたがるだろうし、それができないのなら表情、仕草から読み取ろうとするだろう。自分の知能に絶対的な自信を持っている者同士の戦いは、ほんのちょっとの事がきっかけて勝負がつく。そのほんのちょっと、1ミリにも満たない何かを探すことができるのも、一つの特殊能力かもしれない。

さて、戸辺七段は放送を見ていただいた方は分かるだろうし、そもそも彼を知っている人間も多いのだが、屈託のない笑顔で、「いや、脳内に将棋盤無いっすよ~」と観客を笑わせる。「だって目があるんですよ、盤を見ればいいじゃないですか」いや、その通りではあるのだけれど、それでプロとしてやっていけるのだろうか?いや、それは彼のハッタリかもしれないが、こんなことで誤魔化すような人には見えない。

短い時間ではあったが戸辺誠七段と話をしていて感じたのは、腰がはいった、あるいは、芯がある、という印象である。これだけ軽妙に話をしているのだけれども、将棋においては曲げられない何かを持っているという感触を受けた。いや、棋士は皆、そうなのかもしれないのだけれど、それぞれにその印象は違う。戸辺七段の場合は、いうならばリゾットだろう。芯が残ったお米。いろいろな味付けがされ、具材と一緒に炊きこまれた柔らかいお米なのだけれども、自分のアイデンティティは、芯として残っていて、食べる者にそれを感じさせ記憶させる。

笑顔で話す彼を見ていて、何か海風のような爽快感を感じたのは私だけではないだろう。
軽快なスイングは、爽快な風を起こす。
竜王戦4組、順位戦B2、30歳。内に秘めた大きな野望は無くしていないだろう。
「本も出したし、あの棋士との対局になった時も中飛車で行きますよ!」
ロマンとファンサービスも忘れない男。
戸辺攻め炸裂を見たい。いや見せてくれ。

イベントの最後に、本当に丁寧に色紙に揮毫をする。
戸辺先生に了承いただき、その様子を天カメで撮影し皆で見た。
棋士を対面にして見るのとは、また違った趣がある。

また応援する棋士が増えた。
また将棋が面白くなる。
そんなトークライブとなった。

(文: @totheworld)

攻めて強くなる 戸辺流中飛車 好評発売中




2017年7月2日日曜日

羽化前夜 - 長谷川優貴女流二段を迎えて - 放送後記

棋士は何度か生まれ変わる。力強くなるために生まれ変わる。
生まれ変わらなければ生き残れない勝負の世界。

長谷川優貴は眩い光と共に生まれている。
プロ入りしてから4戦目でタイトル挑戦まで駆け上がるという離れ業を成し遂げた。
才能ある者の集団の中で目立った功績をあげることは容易いことではないし、容易く許してくれる世界ではないのにだ。

それから6年。
彼女は関西の女流棋士においては上から数えた方が早い。まだ21歳であるにも関わらず。
毎年多くの若い才能が現れ、旧世代を脅かす。
だが、若干21歳の長谷川優貴は旧世代とは言い難い。そう、まだ21歳なのだ。


彼女は集合時間よりも幾分早めに現れる。
(ここだけの話、事前に台本を読んでもらったり、当日に早く来て打ち合わせをすることができたのは今回が初めてである・笑)
白いワンピースで夏らしい装いは、休日の高校生のようにも見える。
フレッシュさと不安定さとを両手に抱えているようかのような印象は、未完成という言葉がしっくりくるかもしれない。

放送が始まり、彼女は少しずつ話し始める。
幸い、ここはアウェイではない。東京の地ではあるが同じ女流棋士が運営する教室の中である。集まった客は将棋ファンであり温かく見守ってくれている。
放送終了後は、より気さくに色々なことを話してくれた。その様は、当たり前だが普通に完全に20代女性である。バンジージャンプが好きで、タワーオブテラーを連続で搭乗する普通に完全な20代女性である。

今、長谷川優貴は何かのタイミングを待っているかのように、あるいは何かのきっかけを掴もうとしているかのように思う。生まれ変わるために。
将棋の強さには何が由来しているのか凡人には分からないが、将棋に費やす時間との単純な正比例の関係とはならないようで、不条理を感じる。もしかしたら飛び続けるバンジージャンプの先に何かが見えるのかもしれない。あるいは単なるスリル好きなのかもしれないが。


何かが変わるかもしれない。
その兆しを見逃してはならない。今まさに羽化前夜なのだ。
自ら行動して、その殻を破ろうとする姿はフォームチェンジには留まらずに大きく進化するだろう。

世にも美しい蝶になるか、あらゆる者を打ちのめす毒蛾になるか、
とにかく静かに、でも熱く、長谷川優貴を応援しようではないか。

(文 @totheworld)




2017年5月30日火曜日

[告知] 7.1 (土) 長谷川優貴 女流二段を迎えてトークライブ


2017.7.1 (Sat)
10:00-11:30 (10:00-10:30 YouTube 生放送)
場所 ねこまど将棋教室 (四谷)
入場料 2000円
定員 20名
申し込み https://goo.gl/forms/8cC17xVLuJOoteuV2

関西所属の長谷川優貴 女流二段にお越しいただくこととなりました。
関西の先生ということもあり全く話したことがありません。どんな方なのでしょうか?
恒例の〇×質問もやろうと思っていますし、恒例の盤を挟んでツーショット撮影もしようと思っています。加えて、色々と楽しいアイデアを検討中です。
ねこまど将棋チャンネルならではの距離感で、長谷川先生の魅力に迫っていきます。

1995年生まれで北村桂香女流初段と同い年。
現在、21歳。
競争が激しい女流棋界において、デビューが早かったもののまだ若手。これからの更なる活躍が期待されます。

宣伝用につくったスライドの写真は、以前の女流棋士の知と美で私が撮影したもの。
客席から見ながら、この女性はアイドルですか??と何度も思いました。
今回は間近に画が撮れるのが楽しみです。
もちろん、客席からの撮影もOKです。(YouTube 放映中を除く)

ぜひ、スタジオ(ねこまど将棋教室)にお越しください。

(@totheworld)


2017年5月7日日曜日

Dreams Come Ture - 加藤一二三九段 77歳 いまだに広がり続ける無限の可能性

ねこまど将棋チャンネル vol.16 に加藤一二三九段にお越しいただいてトークライブを開催した。
最近では「ひふみん」の愛称でTVやインターネット放送に出演されていることを見ることが多い。4万人を越えるツイッターのフォロワーは、将棋を知らない人の割合のほうが多いかもしれない。将棋の実績もさることながら、功績という意味においても将棋界の巨人と呼ぶより他ないであろう。



何の疑いも持たずに前へ前へと進む様に、人は時として困惑する。
加藤九段は、いたってシンプルに、シンプルな情熱を切々と語り、そこに論理の破たんが一切生じない。シンプルというのはそういうことだ。

「現実的には無理だと自分でも分かっていますけど」
棋聖タイトル奪取に向けた発言は、NHK ノーナレのきっかけにもなった。
少し反省もする。

YouTube 公開放送後には、教室だけのトークもパワフルに進行。
本当は放送に乗せたいと思っていた〇×質問を行うことができた。

 1. 対局に集中するために、滝を止めさせたことがある
 2. 対局中に、将棋盤を割ってしまったことがある
 3. さらに、対局中に駒を割ってしまったことがある
 4. 77歳になった今でも、食欲が衰えない
 5. ツイッターが大好きである
 6. 公式対局2,500局以上あるが、どんな対局でも思い出せる
 7. 藤井聡太四段は、ウナギを食べれば、これからも強くなる
 8. 棒銀は無敵である
 9. 将棋を指しているときは、何時間であっても全く疲れない
 10. ひふみん先生にとって、将棋は天職である

(どの質問に〇と答えたでしょう?)

定番の質問にも快く答えていただき、会場は笑いが絶えない。
これがカワイイと言われる所以であろう。


両手指しの実演もしていただいた。
何度もピシッと響く駒音を聞かせていただいた。
こんな間近で加藤先生の駒音を聞ける機会はそうそう無い。

午後には講座を行い、終わった後には扇子数十本に丹念に揮毫を入れる。
「先生疲れないですか?」
「いやぁ、ひとつひとつ書いていくのは楽しいですよぉ。」
朝から加藤先生と共にしている私は、この頃には「これは化け物だ」と思い始めていた。
私のボキャブラリーが貧弱なせいもあるのだが、いや、ほかに表現しようが無かったのである。


1960年、当時20歳の加藤一二三八段が大山名人に挑戦した第1局の写真を向こうに、77歳となった加藤一二三九段が無心に筆を運ぶ。
半世紀超の隔世を経てもなお、将棋に対峙している。

77歳は夢を語る。
語ることで自分の道を切り拓いている。
自分の可能性を信じていることがパワーの源泉のように感じられた。
カトリックの洗礼を受けたということが、自らの人生観に深く影響を与えたというものの、誰しもがこのようになれる訳ではないだろう。

Dreams Come True を体現したような男。
そしてこれからも具現化していくであろう77歳。
私は77歳の大先輩をこう表現したい。
「末恐ろしい」


(ペン @totheworld)

ねこまど将棋チャンネル
登録お願いしますm(__)m

2017年4月23日日曜日

放送後記 長沢女流四段との時間

長沢女流四段に会うのは2回目。前回は3月に金沢文庫将棋サロンにチームで交流戦に行った際に偶然にも長沢先生がいらしており、懇親会で少し話をしていた。
そこから物事がトントンと進み、ねこまど将棋チャンネルへにご出演してたただくこととなった。

今回の大きな目的は、歌を歌っていただくということである。
しかし、単なる将棋教室で手持ちの機材しかない中でどのように放送に音を載せるのかという技術的な問題に課題がある。
案の定、当日は色々と問題が出た。そのため、編集作業を行って放送を再アップロードしている。

カラオケに行って音を取るというのが一番手っ取り早いのだけれども、歌だけの放送ではない。
信濃慕情 長沢千和子

そんな無音響設備の中で歌ってもらって、この上手さである。脱帽するしかない。
5月3日 tvk ハウジングプラザでの将棋イベントでは、歌の披露もあるとのこと。
住宅展示場で歌を聴くというのも不思議な感じがするだろう。

昭和の女勝負師。
ここにあり。

(文 @totheworld)







2017年4月21日金曜日

[告知] 長沢女流四段を迎えて ねこまど将棋ミートアップ 4/22(SAT) 19:00-22:00

夜に気軽に将棋を楽しみたいと思い毎月 2日と22日に、ねこまど将棋ミートアップと題した企画を続けている。とくに内容を決める訳でもなく、将棋を指したり、お酒を飲んだりという感じの集いだ。たぶん、ゆくゆくは「スナックまどか」にと目論んでいるが、本人は、せめて小料理屋にして、と言っている。まあ、店名はともかく、将棋というキーワードで集える空間というのを模索している。


ひょんなことから、4月22日の夜には長沢女流四段をゲストに迎えることとなった。
私は第2回電王戦世代なので、かつて活躍されていた方たちのことをほとんど知らない。名前を聞いたことがある棋士でもプロフィール写真しか見たことがない場合も多い。生で見たことがない棋士のほうが圧倒的に多い。
将棋界が今、どのような経済的状況になっているのかを正確には把握していないが、少なくともインターネット上やイベント集客の状況だけから考えると、地下アイドルレベルと同等と思われる。故に棋戦スポンサーは命綱であるということは容易に想像ができる。
それでも、私は将棋と棋士に価値を見出し、相応の対価が発生する仕組みを創成できるとも考えており、ねこまど将棋チャンネルが丁度良いテスティングの機会となっている。

ねこまど将棋チャンネルの生中継は、19:30-21:00 を予定しています。
ただ、ねこまど将棋ミートアップとしては、19:00-22:00 を予定しています。
前後の時間は、長沢先生との懇談を考えています。
例の歌も歌っていただく予定で、放送でも流しますが、これは生歌を聞いた方が絶対に良い。音響設備がないので、ちゃんとした音で放送に乗るのかは保証できません。我々はアベマやニコニコのようなリッチな設備は無いのです。
なので、ねこまど将棋教室まで来てほしいなと思っているのです。

(文 @totheworld)









2017年3月26日日曜日

内なる秘めた思い - カロリーナ・ステチェンスカ

意外なほどに小柄な彼女は静かにスタジオに現れた。
画面を通して見る棋士は大きく見える。その威圧感、特に対局時に盤にのめり込む姿を見ていると、とてつもなく大きく、遠い存在に思えることがある。
加えて、多くの日本人は残念ながらポーランドに馴染みが薄く、ヨーロッパ人は大柄な女性というイメージを勝手に持っているかもしれない。

カロリーナと@mcmaruyama

小雨の寒空となった東京の朝。羽織って来たコートを脱いでスーツ姿となったカロリーナの襟元には女流棋士のシンボルである駒桜のピンバッジが輝かしく飾られていた。
2017.2.20 貞升女流初段との戦いに勝った彼女は、仮免許と言われる女流3級から正式な女流棋士となる女流2級への昇級を果たしていた。将棋に出会い、将棋を始め、日本に渡って研修会に入り、何度も挫けそうになりながら、それでも諦めないで前進を続けた結果だ。

カロリーナは言葉を選んでから話をする。
上達したとはいえ日本語がネイティブではないので、スラスラと言葉を操れる訳ではない。だが、それが理由ではないような気がする。
元々彼女は思慮深く、軽率な発言はしない性格のように思う。
ちなみに、放送では紹介できなかったが動物占いでは「虎」(ネコ科)である。
(北尾まどかさんは狼)
今回、大きな言葉では言い表さなかったものの、将棋を日本国外に広めていく決意は固めているようだった。

手弁当で運営している虚弱な番組、ねこまど将棋チャンネルではあるものの、生放送という言葉は少々緊張感を伴う。今日のカロリーナも少し肩を強張らせていた。放送時間の30分を終えて、教室内だけのフリートークとなった時には、ほっとした表情と共に笑顔を見せてくれた。20代女性のチャーミングな笑顔だ。

放送終了後は昇級の一番となった一局の自戦解説も行った。
最後は震えたと振り返る。
勝負の世界に足を踏み入れた彼女は、これから何度も震える瞬間を迎えることであろう。その度に強くなり、言葉に重みを持つ棋士となっていく。そして、世界に将棋を広める原動力となるであろう。



カロリーナが好んで揮毫するという「Always do your best!」の色紙を頂いた。
"Always do my best" ではなく、"your (あなたにとっての)" とするところが、カロリーナの心遣い。
「日本語だったら、どんな揮毫にしたいですか?」
と聞いたら、
「風林火山かな?」
と笑って答えた。
「だって私、甲府人だから。」(現在 山梨学院大学 大学院生)

ああ、もう既に日本人の魂を持った棋士なんだと、この時、私は確信した。


「Shogi is my life.」というカロリーナ。
何かに導かれるように将棋の道に踏み込んだポーランド人、その人生。
もう、これだけでこれからの物語が楽しみでしょうがない。
彼女の人生をとにかく祝福したい。だから私からも言いたい 「Always do your best!」


(文 @totheworld)

2017年3月5日日曜日

物販について考える by ねこまどショップチャンネル

将棋イベントにおける物販は、とても地味だと前から思っている。
将棋用具は和風で(もちろん、それはそれで良いのだけれども)、色調に派手さが無い。
色紙は白黒だし、扇子も木目と白黒だ。
書籍には色味があるが、統一されたデザインという訳ではない。
シックというには程遠いし、華やかというには乱雑すぎる。

何度も言うのだが、ねこまど将棋チャンネル チーム二人はねこまどの客である(笑)。
物販を担当している訳でもなんでもないのだけれども、一人の客としての疑問を何かの形で解決できないだろうかと考えている。
そして、その場として、「3.28 女流棋士の知と美」にて実施できないだろうかと。

リソース的に全てのアイデアを実施できないので、いくつかに絞って話を進めている。

「将棋 × おしゃれ」、「将棋 × カワイイ」は、あり得るのだろうか?
思考のスタートポイントである。
ご存知の通り、イベントの客層は男性であり平均年齢は高め。おしゃれもカワイイも求められていないかもしれない。しかし、このままで良いのだろうか?ずっとこのイメージで良いのだろうか?

人の力を借りることで解決するのも一つの手段。
そうだ、スターバックスがあるじゃないか。
マイ スターバックス タンブラーというオリジナルタンブラーを作れるセットが既に販売されている。
 http://www.starbucks.co.jp/gift/message/ 
少々値段はするが、飲料無料券が1枚付帯している。
知と美スペシャルタンブラーを作成しても良いではないか。
室谷さんにサンプルを作成してもらった様子が、この動画。
値段は 5,000でどうでしょうか?(タンブラー代含む)
このタンブラーを持ってスタバに行って欲しい。
今の時期なら、さくら ブロッサム クリーム フラペチーノ。


イベントの記念に何が欲しいか。
買った色紙は、みんな、どのようにしているのだろうか?全て家に飾っているのだろうか?
(私の家では羽生さんの色紙を居間に飾っているが、当初は妻の反対にあった。見栄え良いように額装することで、なんとか了承を得ることができた。)
色紙は地味だし、現代のインテリアにはマッチしない。
それから、イベントで撮影した写真はどうしているのだろうか?
パソコンのフォルダーに保存されたままになっていないだろうか?
写真は、その瞬間を切り取った大切な思い出だ。その写真を見るたびに、その当時の事を思い出す。
だったら、色紙と写真の要素を単純にPPAPすればいい。
その様子が、この動画。
これはサンプルなので名前だけだが、もちろん揮毫を所望しても良いだろう。
こちらもフレームはちょっと特殊なフレームを使っている。そして、油性筆ペンを使っている。
値段は 5,000 でどうでしょうか?(フレーム代含む)
そして、3.28 知と美では、当日運営側で撮影した写真をプリントアウトして入れ込んでから販売したいと思っている。時間的に間に合うのか難しい面もあるし量産はできないだろうから1点モノとなる。イベントの思い出にはもってこいじゃないだろうか。


もっと求めやすいものとして、チェキ写真も考えている。
巷のアイドルもイベントで販売している。
チェキはフィルム(写真)が小さい。だから全身を写すには向いていない。
なので、誰かが誰かの写真をチェキで撮影するという方法には向いていない。
つまりは、チェキというのは自撮り用というのが私の認識である。
最近のチェキ (Instax) には自撮り用ミラーが既に装備されている。しかし、ねこまどで持っているチェキは古いタイプであるため、自撮りミラーがついていない。なので化粧ポーチにいれておく小ミラーを買ってきて両面テープでチェキに張り付けた。これで良いのかどうかも含めて、室谷さんに試してもらう。
スマホで育った世代は、自撮りに慣れている。その点では室谷さんには心配が無い。
チェキは自分のタイミングで、自分の(得意な)顔で撮影できる。
独りのショットもできるし、ツーショットもできる。
当日は着物だから、普段には無い写真も期待できる。
値段は、いわゆる相場に合わせたいと思っている。
(ツーショット撮影会も別途行われると思うので、それは別料金設定になります)

いろいろと無茶なお願いに応えてくれた室谷さんと北尾先生(局長)に感謝。


沢山売りたいが、売れ残りが困る。というのが運営側の悩み。
数量限定で早い者勝ちだと買えない人がいるかもしれない。予約制は全顧客に告知するのが大変。オークションは当日に時間が無さそう。購入権利の抽選が現実的かもしれないが、その手間を割けるかどうか。プレイベント内で話をした別の企画も考えている。

"物より思い出" ではなく、"物は思い出"。
そして、その"思い出"をよりカラフルに。

ねこまど将棋チャンネルが、ねこまどショップチャンネルと言われる日も近いか?!

文: @totheworld




2017年3月2日木曜日

「毎日見ても飽きない」
いや、
「毎日見たくなる」

そんな CM を作りたい。
そして作ったのが2つのミニ CM

車に乗ってラジオを聞いていると、「交通管制センターの XX さん」が出てきて、時にその美声は "ずっと聞いていたくなる" 事がある。
日常の中に定着しつつも、花をめでるような感覚でそこに定着してるような動画。
それが今回のCMのコンセプト。

この二つのCMは、どう考えてもボクシング編の方が良いのだけれども、サッカー編は捨て石とまではいえないのだが、布石として考えていた。それは関西弁を使わせる布石。

場を温めて、カメラ慣れしてもらう。
時間が無いし、同時に観客に飽きられてはいけない。リハ無しでの一発撮りを覚悟して挑み、室谷さんもそれに応えてくれた。



カメラは私一人なので、メイキング動画を観客に撮影してもらう。
通常、メイキングの様子は別のスタッフやタレントのマネジャーが撮影しているだろう。
資源の有効活用である。
私も @mcmaruyama も、ねこまどの客であり、もちろんギャラなどない。むしろ持ち出しだ!なんという資源の有効活用であろうか。
その発想で、私も「観客を使ってやれ(笑)」と思った次第。

ただ、別の狙いもあり、それは「一体感」。
トークショーなので基本的には聞いているだけ。たまに質問ができるかもしれないが、機会は多くない。ずっと受け身なのである。それではなかなか会場が一体化しない。みんなで歌でも歌えばいいのだろうがコンサートではない。
観客に参加してもらうにはどうすれば良いのか?と考えて、この手法を取った。
ツイッターなどにあげてもらえると宣伝効果もあるし、別に手元で楽しんでもらってもいい。イベントにはいろいろな楽しみ方がある。


3.28 女流棋士の知と美では、さらに色々な表情を見ることができるだろう。
特に盤に向かった時の真剣な眼差しは、それが非公式戦だからといって「決して負けたくない」という二人だから、嘘偽りないものとなるはずだ。

だったら、私も舞台の上の二人に熱い眼差しを向けなければならない。

私だけじゃない。あなたもである。

みんなで最高の雰囲気を作り上げて、思い出の残る一日にしよう。


文: @totheworld





2017年2月28日火曜日

メイキング オブ 知と美 ミニCM (裏話)

裏話というほど面白い話題ではありません。と最初に断っておきます。
このCMの作り方とコンセプトを備忘録的に記しておこうというだけです。

まず、公開収録イベントの時間が 10:00-11:30 で、サイン会が 11:30-12:15 と想定していました。
10:00-10:30 は YouTube Live
10:30-11:00 を ここだけの話
11:20-11:30 を ツーショット撮影会
として、間の残り 20分を女流棋士の知と美のプロモーション時間として、会場に来たお客様に物販に関する意見を伺ったり、この CM を撮影したりする時間としました。
物販については、また後日、このブログで書きたいと思います。



お金が無い
時間が無い
場所が無い

三無状態なので凝ったことはできません。

私が考えたのは、「毎日見たくなるような CM」です。
よく、テレビを見ていると、テレビドラマの宣伝のワンポイント CM が流れることがあります。
そんなイメージです。

CM のためのセットはありません。ねこまど将棋教室内で撮ります。
撮影器具も一眼レフカメラ一台。
画質に拘ったので、ビデオカメラにはしませんでした。

ねこまど将棋教室は、綺麗で清潔な場所ではありますが、CM撮影には向いていない。
だから、室谷さんのアップにします。
画質が相当に明るいと思ったと思いますが、意図的にハイキーにしています。
背景にごちゃごちゃしたものが映り込むことを避けるためです。
そのためにサッカーボールに書いた字は見えなかったと思います。その代わりに、写真を一枚挿入しました。

CM の目的は、「知と美があるよ」ということですから、最初と最後に知と美のスライドを入れています。

次はセリフ決めです。
私は 3通り × 3種類 用意しました。

標準語

関西弁

本当の関西弁


このカンペを使って、室谷さん、北尾先生、観客の方々にどれが良いかを選んでもらいます。
私はもちろん、最後のカンペが一押しで、「待っとるで、オノレ」がお気に入りです。
だが、ここは私の我を押し通すことはなく、みんなの意見で「会いましょう」になります。
気持ち良く撮影をするというのも重要です。

時間が限られているので、何テイクも撮るつもりはありません。
一発で良ければ、それで行こうと思っていました。
そして、その期待に室谷さんはしっかりと答えてくれて一発オッケー。

[メイキング映像]


なお私の持論を少しだけ書いておくと、かわいい女性にかわいい服を着せるとか、かわいいセリフを言わせるというのは、意味が無いと思っています。
かわいい女性が、普通の服を着たり、普通の言葉を話すことが、かわいさを引き出す、あるいは他者と差異をつけるためのファクターだと思っています。
その人の中に潜むかわいさというのは、服装やセリフでは修飾されない。むしろ個性を埋没させる。

室谷さんの場合は、素の言葉遣いが出るのであれば、それで十分にパワーがある。

そんな思いをもって、CMを作りました。

もう1本、ミニCM用意しています。
同じコンセプトで、同じ作り方です。持っているモノが違うだけです。
たぶん、予想はついていると思いますが。各種確認作業が終わったら公開します。


文: @totheworld

2017年2月27日月曜日

香川愛生 vs 室谷由紀 ・ 2017.3.28 女流棋士の知と美に向けて

1月に香川さん、2月に室谷さんを迎えてトークライブという形式で、公開生放送を行いました。
年明けから2か月連続で美女二人に翻弄された @mcmaruyama ですが、役得とばかりにニコニコです。
私 @totheworld は、放送作家として頭を悩ませながらも台本を書き、それなりに人様にも楽しんでもらえる内容になった事にほっとしているところです。

近頃では、むしろ周囲の方が煽っているんじゃないかと思われる 香川 vs 室谷 の構図ですが、それぞれのトークライブでは、各々がやはり口に出し意識をしていることを話していました。

将棋指しという職業は、私には良く分からない。
何のために将棋を指し続けるのだろうか?
そして、将棋を指し続けるモチベーションはどこから来るのだろうか?

かつて、電王戦の後に森下九段が情熱を取り戻したという発言をされており、
将棋を指し、勝負に拘る姿勢を貫くということは、大きな精神力が必要となることは想像に難くありません。

香川・室谷の二人はまだ若い。
若い間はライバルがいることが大きな原動力になることは、経験的にわかっている。
慣れ合いになってしまっては、勝負の鬼でいられないことを先輩から教わったか、あるいは、この二人は本能的に感じ取っているのかもしれない。

 
2.26 ねこまど将棋チャンネルで話す室谷さんは、時折、いたずらっ子のような表情を見せてくれた。
棋士というのは、盤を離れても、ファンサービスで色々なシーンで話をしなければならない。都度、緊張をしてられないだろうし、楽しめるという性向じゃなければ務まらないだろう。
当日、本当に楽しんでいたのかは分からないが、表面的にはリラックスしているように思えた。彼女の滑舌と口調がやや緩やかだったからである。とはいえ、普段の室谷由紀を知らないので、私の希望的で楽観的な観測かもしれない。

私はまだしばらく香川ウォッチャー、室谷ウォッチャーで居続けるだろう。
彼女たちが、これからどのように成長していくのか、将棋指しとして人間として。
あらゆる意味で強さを求められることを生業として生きていく彼女たちを、何らかの形で応援してみたいと、改めて思った。


【紀伊國屋ホール】
紀伊國屋書店主催「第六回将棋対局 女流棋士の知と美」(2017年3月28日)
https://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20170216124904.html

特選対局香川愛生女流三段 対 室谷由紀女流二段
《解説》 先崎学九段 山口恵梨子女流二段
《司会》 戸塚貴久子
《総合プロデューサー》
 遠山雄亮五段 北尾まどか女流二段
■入場料金[全席指定] 一般 3,500円 学生3,000円


文: @totheworld

ねこまど将棋チャンネル用ブログとして存続します

第27回社団戦ねこまどチーム用ブログとして立ち上げ、その後、放置していましたがw、ねこまど将棋チャンネル用のブログとして存続しますので、どうぞよろしくお願いします。