予てから将棋とサッカーを絡めた企画をあたためていて、いつかやりたいと思っていたところに渡部愛さんの話が舞い込み、そして実現することとなった。
私はかつてサッカーに夢中だったことがある。ある悲劇 (フリューゲルス) の後は、だいぶんと熱量が下がったのだけれども、それでも年に何回かは近場のスタジアム(三ッ沢)に足を運ぶ。相棒の @mcmaruyama は松本山雅に入れ込んでいる。故郷を離れても地元のチームを応援するのは当然のこと。ことあるごとにソワソワする彼を見るのは面白い。
Jリーグ発足時のチェアマンは地元密着を優先する方針を取った。それにより、時にチームと自分の人生とをオーバーラップさせたりしながら、サッカーを生活の一部として楽しむ文化が根付いた。応援したり、何かを託したり、自分の代わりに何かを成し遂げてくれる存在として、単なるスポーツではなく、心の象徴かのように。
北海道帯広市出身の渡部愛さん。
北海道コンサドーレ札幌を応援するのは自然に見えるかもしれないが、北海道函館市出身の私からすると、「コンサドーレは札幌のチーム」という意識が強く、札幌以外の人はちょっと離れて応援するというのが普通の感覚である。なお、2016年からチーム名に北海道と冠するようになっているので、道内の雰囲気は少し変わっているかもしれない。
何を言いたいかというと「きっかけ」で人は変わるということである。放送内でも触れているとおり、最初は野月八段の誘いで棋士たちでサッカーを観戦し、徐々にその魅力にとりつかれていった。何かのタイミングでサッカーの中に何かの面白さを見出したのであり、それが一般人と同様な性質なのか、あるいは棋士という職業からくる何か違った感覚から発見したものなのか。
団体競技のサッカーと個人競技の将棋とでは、もちろん違う部分の方が多い。
サッカーのプレイヤーは絶対に自身のゲームをリアルタイムで俯瞰して観ることができない。もしサッカープレイヤーが自らプレーしながら、同時に俯瞰図も見ることができるとしたら、プレーの精度はどのぐらい上がるのだろうか?と思う。将棋は盤全体を俯瞰しゲームを進める。駒を人に見立てると、神の視点で動かすことができるし、100%自分の意思で駒を動かす。もしかしたら、サッカーの進化系は将棋なのかもしれない。
愛さんが、将棋とサッカーをどのような関係性で考えているのかの一端を、この放送で少しわかったような気がする。そして、一人のサッカーファンとして、愛さんがよりサッカーの深みにはまっていくことを歓迎しているし望んでいる。
今年の漢字は「試」を選んだ。
女流王位のタイトルを失ったものの、新しい世界も開けてきているようである。
なんとなくの私の感覚でしかないけれども、渡部愛は忙しくしている方が自分自身を見失わないような気がする。ポジショニングサッカー。状況に合わせて常に動くタイプ。いろいろなことを試して、ちょっとずつ感覚を磨いていくだろう。
Star Child とは、星間システムを結ぶ象徴。
将棋とサッカー、あるいは団体と団体。
絶妙なポジショニングでバランスを取り、試合全体をコントロールする。いずれ、そういう存在になるのかもしれないし、それが彼女の運命なのかもしれない。
(写真 @VodkaIceBerg)
(文 @totheworld)
北尾まどか局長を筆頭に、@mcmaruyama / @totheworld が将棋ファンのために送る将棋情報番組です。月に1度、四谷のねこまど将棋教室から生放送を行っています。加えて、動画もたまにアップします。オリジナルコンテンツで大資本ネット番組に対抗だ!
2019年12月28日土曜日
2019年7月16日火曜日
[放送後記] 加藤桃子女流三段 「純心」
ねこまど将棋チャンネルで棋士・女流棋士をゲストとして迎えたのは今回を含めて18回となる。そのうち、わざわざ事前の打ち合わせを要望したのは二人。長岡裕也五段と加藤桃子女流三段である。生放送ということもあり、こちらも放送事故的な惨事にならないように配慮を重ねて台本を書いている。更にその上で、わざわざ時間を割いて事前打ち合わせをする丁寧さには頭が下がる。
ご存知の通り、加藤桃子女流三段は2019年3月末を持って奨励会を退会し、4月から女流棋士の道を歩み始めた。既に計8期の女流タイトルを獲得していることから、外野から見ていると何ら違和感は無いのだけれども、24歳の決断は大きなものであったと思う。
私は少しだけ遠慮がちに「生放送内でも触れる事があると思いますので、率直に話していただけますか?」と頼んでみた。少しは躊躇もあるかと思ったが、そんな素振りも無く二つ返事で快諾してもらった。
私は第2回電王戦からの将棋ファンなので歴が浅く、奨励会について知識はあるものの、どの程度触れて良いものか未だ分からない。
最近、ねこまど将棋教室でも講師として活躍する藤田一樹 指導棋士三段(元奨励会ニ段)と交流ができ、「里見香奈にボコボコにされた男」(奨励会では全く勝てなかった)と茶化して人に紹介するぐらいにはなれたものの(藤田さんゴメンね。でも一発で覚えてもらえるよ)、それは彼が退会してから5年も経っているし、明るいキャラクターだから許容範囲っぽいのを感じられるからであって、他の奨励会経験者には容易く聞けない。
ねこまど将棋チャンネルやその他ねこまど関連イベントでスタッフとして関わっているなかで、棋士・女流棋士の方々と話す機会が増え、そしてその中で「加藤桃子さんはいい子だよ」という話を聞くことが、実は今まで何回もあった。加藤桃子の何が棋界の人たちを虜にしているのだろうか?加藤桃子は魔性の女?いやいや、あの加藤桃子に魔性という単語は似合わないだろう。などと答えの出ない問題を抱えていた。だから今回の裏テーマは、「加藤桃子の何が人々を惹きつけるのか」である。
故郷の牧之原市(旧榛原町)の話から始まり、REIWA将棋教室、これからの目標という順番で話を進める。
1. 山を見ると心が落ち着く
2. 海を見ると心が落ち着く
3. お茶を飲むと心が落ち着く
4. ミカンと言えば、青島ミカン
5. 新しいことにチャレンジするのが好きだ
6. 指導対局では厳しい方だ
7. 教えるのも好き
8. 将棋を指す女性が増えたと感じる
9. 将棋は楽しい
10. 女流棋士となり心機一転、取り返さなければならないモノがある
加藤桃子の将棋は教科書にしたい将棋であり、例えば、将棋の森で基礎を習い、さらに強くなろうという女性は絶対にお手本にすべきだろう。将棋の勉強の先には、このような完成形があるということを知るのは大きい。(なぜ、ねこまど将棋教室じゃないんだ?笑)
生放送後は踊りを踊る。
その様子は TicTok で公開した。でも、きっと TicTok を使っていない層が多いであろう将棋民のために、こっそり別バージョンをニコニコ動画にも投稿している。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm35363894
数日後、伊藤沙恵女流三段とのコラボレーションイベントがねこまど将棋教室で行われ、そこでもまた加藤桃子女流三段の素顔を垣間見ることができた。言えるのは二人とも将棋に真摯に向き合っているということ、特に棋譜を残すことを使命としていることが伺えた。勝つのはもちろんのこと、将棋の進化と歴史に貢献しようとする覚悟を感じた。そういう部分でのシンパシーが互いの信頼感を醸成しているようであった。
「もっと個性のある将棋を指したい」と加藤桃子女流三段が言う。
私は、もう彼女の将棋から十分に個性を感じるし、棋譜を見ると絵画を鑑賞したかのような感銘を受ける。
加藤桃子ファンは、もっと加藤桃子を称賛しなければならない。加藤桃子の将棋をありとあらゆる表現方法で、その人なりの表現でもって大きく叫ぼう。そこに棋力は関係無い。たくさん肯定すればするほど、加藤桃子の強さは比例していくはずだ。
いつの間にか加藤桃子ファンになっている自分がここにいた。
(文 @totheworld / 写真 @VodkaIceBerg)
ご存知の通り、加藤桃子女流三段は2019年3月末を持って奨励会を退会し、4月から女流棋士の道を歩み始めた。既に計8期の女流タイトルを獲得していることから、外野から見ていると何ら違和感は無いのだけれども、24歳の決断は大きなものであったと思う。
私は少しだけ遠慮がちに「生放送内でも触れる事があると思いますので、率直に話していただけますか?」と頼んでみた。少しは躊躇もあるかと思ったが、そんな素振りも無く二つ返事で快諾してもらった。
私は第2回電王戦からの将棋ファンなので歴が浅く、奨励会について知識はあるものの、どの程度触れて良いものか未だ分からない。
最近、ねこまど将棋教室でも講師として活躍する藤田一樹 指導棋士三段(元奨励会ニ段)と交流ができ、「里見香奈にボコボコにされた男」(奨励会では全く勝てなかった)と茶化して人に紹介するぐらいにはなれたものの(藤田さんゴメンね。でも一発で覚えてもらえるよ)、それは彼が退会してから5年も経っているし、明るいキャラクターだから許容範囲っぽいのを感じられるからであって、他の奨励会経験者には容易く聞けない。
ねこまど将棋チャンネルやその他ねこまど関連イベントでスタッフとして関わっているなかで、棋士・女流棋士の方々と話す機会が増え、そしてその中で「加藤桃子さんはいい子だよ」という話を聞くことが、実は今まで何回もあった。加藤桃子の何が棋界の人たちを虜にしているのだろうか?加藤桃子は魔性の女?いやいや、あの加藤桃子に魔性という単語は似合わないだろう。などと答えの出ない問題を抱えていた。だから今回の裏テーマは、「加藤桃子の何が人々を惹きつけるのか」である。
故郷の牧之原市(旧榛原町)の話から始まり、REIWA将棋教室、これからの目標という順番で話を進める。
1. 山を見ると心が落ち着く
2. 海を見ると心が落ち着く
3. お茶を飲むと心が落ち着く
4. ミカンと言えば、青島ミカン
5. 新しいことにチャレンジするのが好きだ
6. 指導対局では厳しい方だ
7. 教えるのも好き
8. 将棋を指す女性が増えたと感じる
9. 将棋は楽しい
10. 女流棋士となり心機一転、取り返さなければならないモノがある
(私物のコウペンちゃんグッズが並ぶ)
ハキハキと喋り、コロコロと良く笑う。
若くても大人びた人が多い(あるいは観客層に合わせているとも言える)将棋界において、数少ない純心かもしれない。
加藤桃子の将棋は筋が良いという言葉がピタリとはまる。勉強していますという将棋であり、それは熱心に将棋に取り組んでいた子供の頃を思い出させるかもしれない。純粋に将棋に向き合う心。純心。
勝負の世界においては「勉強」から「研究」に変わる。その過程において、たぶん、「楽しさ」から「仕事」へと変わるのだろう。そして、いつしかあの頃の感情を忘れてしまう。でも、自らを高める勉強の大切さは普遍であり、そのことに気が付かせてくれるのが加藤桃子という存在なのかもしれない。若くても大人びた人が多い(あるいは観客層に合わせているとも言える)将棋界において、数少ない純心かもしれない。
加藤桃子の将棋は筋が良いという言葉がピタリとはまる。勉強していますという将棋であり、それは熱心に将棋に取り組んでいた子供の頃を思い出させるかもしれない。純粋に将棋に向き合う心。純心。
加藤桃子の将棋は教科書にしたい将棋であり、例えば、将棋の森で基礎を習い、さらに強くなろうという女性は絶対にお手本にすべきだろう。将棋の勉強の先には、このような完成形があるということを知るのは大きい。(なぜ、ねこまど将棋教室じゃないんだ?笑)
生放送後は踊りを踊る。
その様子は TicTok で公開した。でも、きっと TicTok を使っていない層が多いであろう将棋民のために、こっそり別バージョンをニコニコ動画にも投稿している。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm35363894
数日後、伊藤沙恵女流三段とのコラボレーションイベントがねこまど将棋教室で行われ、そこでもまた加藤桃子女流三段の素顔を垣間見ることができた。言えるのは二人とも将棋に真摯に向き合っているということ、特に棋譜を残すことを使命としていることが伺えた。勝つのはもちろんのこと、将棋の進化と歴史に貢献しようとする覚悟を感じた。そういう部分でのシンパシーが互いの信頼感を醸成しているようであった。
「もっと個性のある将棋を指したい」と加藤桃子女流三段が言う。
私は、もう彼女の将棋から十分に個性を感じるし、棋譜を見ると絵画を鑑賞したかのような感銘を受ける。
加藤桃子ファンは、もっと加藤桃子を称賛しなければならない。加藤桃子の将棋をありとあらゆる表現方法で、その人なりの表現でもって大きく叫ぼう。そこに棋力は関係無い。たくさん肯定すればするほど、加藤桃子の強さは比例していくはずだ。
いつの間にか加藤桃子ファンになっている自分がここにいた。
(文 @totheworld / 写真 @VodkaIceBerg)
2019年7月12日金曜日
[放送後記] Stand By You 青嶋未来五段 光溢れた夢の続きは君と共に
棋士は血の通った人間か?
安恵門下の兄弟子 永瀬叡王を見ていると全ての喜怒哀楽を超越した存在にならなければならないのかと思う。それでなければ人間を越える鬼 -タイトルホルダー- にはなれなのかと。才能のぶつかり合いの中で抜きん出るために魂の炎を激しく燃やす世界の住人になることを選択した人を、私たちはただただ傍から見つめているしかない。心模様は分からないし、かの才能を測る物差しだって持っていない。でも、彼らと私たちのコミュニケーションの媒体として将棋がある。もちろん、それは表面的な事実だけを知るためだけの共通言語でしかないのだけれど。
青嶋未来の才能を疑う者はいないだろう。
プロデビューは早くなかったものの、将棋ウォーズの垢バレなどもあり、将棋ファンにおける認知度は高い。
いつ爆発的に勝ちだして檜舞台に躍り出ても不思議ではない。
ただ問題は、そんな同世代の若者が本当に多いということである。加えて、ベテラン勢となったH世代もまだ一線級で戦っている。
棋士の日常は良く分からない。
最近はソフト研究を主として、人相手に練習しないことも増えているという。
ますます人物像が見えてこない。
私は青嶋未来はどのような人物なのかを、僅かな手掛かりをもとに考えた。
そんな中、トークライブの前に大きなニュースが舞い込む。
青嶋未来 全日本チェス選手権 優勝
兼ねてからチェスの名手となっていたことは伝え聞いていたが、まさか日本一の称号を得るまでになっているとは知らなかった。彼は優勝した後、喜びを爆発させて咆哮したのだろうか?クールに見える青嶋五段でも喜ぶことはあるのだろうか?などと想像した。
用意した10の質問は以下。
1. 対局の前は良く眠れるほうだ。
2. 勝負事が好きだ。
3. 負けず嫌いだ。
4. 好奇心が旺盛なほうだと思う。
5. 一人の時間は大切。
6. 家でも歌う。
7. 自分の声は良い声だと思う。
8. 詰将棋は必要!
9. 棋士にとって寝ぐせは重要だ。
10. ズバリ聞きます。今、1番好きなのは将棋だ。
お分かりかと思うが、一番聞きたかったのは 10. である。
将棋民は棋士がチェスで好成績を上げると嫉妬する傾向にある。心配もする。
青嶋五段は、何の迷いも無くスッと〇を札を上げた。
私が書いた台本の役目はこれで終わりだ。この言質さえ取れれば、あとは何だっていい。
トークライブで青嶋未来は若者らしく笑い、時に戸惑い、観客とのやりとりを楽しんでいた。少なくとも、彼は観客の前では人間だった。
生中継を終えて、カラオケの話になると更にテンションが乗ってくる。
嬉々として分析して講義する青嶋先生は本当に楽しそうだし、こちらも楽しくなってくる。
カラオケの採点表、机にはチェス、ホワイトボードには五角形のチャート。
凡そ将棋教室とは思えない風景だ。カオス。
人前で語れるほどなのだから、これはもう趣味の域を脱している。そんな様子をみんなで一緒に楽しんだ。
決して自分から盛り上げていくタイプでないものの、求められれば応える男。実は人懐っこい。菅井七段に少し似ているかもしれない。
私は棋士がどのように生き抜いていくのか、どのように頂点に立てるのかの方策は知らない。どのように応援して、彼らの力になれば良いかも分からない。でも、今日この時に集まった者で共有した時間によって形成されたであろう縁が、何かの時の最後の一押しになってくれればと思っている。まだ夢の途中。光の先の未来に一緒に共に立つ日は遠くないと願い、私はこのナンバーを選曲する。
安恵門下の兄弟子 永瀬叡王を見ていると全ての喜怒哀楽を超越した存在にならなければならないのかと思う。それでなければ人間を越える鬼 -タイトルホルダー- にはなれなのかと。才能のぶつかり合いの中で抜きん出るために魂の炎を激しく燃やす世界の住人になることを選択した人を、私たちはただただ傍から見つめているしかない。心模様は分からないし、かの才能を測る物差しだって持っていない。でも、彼らと私たちのコミュニケーションの媒体として将棋がある。もちろん、それは表面的な事実だけを知るためだけの共通言語でしかないのだけれど。
青嶋未来の才能を疑う者はいないだろう。
プロデビューは早くなかったものの、将棋ウォーズの垢バレなどもあり、将棋ファンにおける認知度は高い。
いつ爆発的に勝ちだして檜舞台に躍り出ても不思議ではない。
ただ問題は、そんな同世代の若者が本当に多いということである。加えて、ベテラン勢となったH世代もまだ一線級で戦っている。
棋士の日常は良く分からない。
最近はソフト研究を主として、人相手に練習しないことも増えているという。
ますます人物像が見えてこない。
私は青嶋未来はどのような人物なのかを、僅かな手掛かりをもとに考えた。
そんな中、トークライブの前に大きなニュースが舞い込む。
青嶋未来 全日本チェス選手権 優勝
兼ねてからチェスの名手となっていたことは伝え聞いていたが、まさか日本一の称号を得るまでになっているとは知らなかった。彼は優勝した後、喜びを爆発させて咆哮したのだろうか?クールに見える青嶋五段でも喜ぶことはあるのだろうか?などと想像した。
用意した10の質問は以下。
1. 対局の前は良く眠れるほうだ。
2. 勝負事が好きだ。
3. 負けず嫌いだ。
4. 好奇心が旺盛なほうだと思う。
5. 一人の時間は大切。
6. 家でも歌う。
7. 自分の声は良い声だと思う。
8. 詰将棋は必要!
9. 棋士にとって寝ぐせは重要だ。
10. ズバリ聞きます。今、1番好きなのは将棋だ。
お分かりかと思うが、一番聞きたかったのは 10. である。
将棋民は棋士がチェスで好成績を上げると嫉妬する傾向にある。心配もする。
青嶋五段は、何の迷いも無くスッと〇を札を上げた。
私が書いた台本の役目はこれで終わりだ。この言質さえ取れれば、あとは何だっていい。
トークライブで青嶋未来は若者らしく笑い、時に戸惑い、観客とのやりとりを楽しんでいた。少なくとも、彼は観客の前では人間だった。
生中継を終えて、カラオケの話になると更にテンションが乗ってくる。
嬉々として分析して講義する青嶋先生は本当に楽しそうだし、こちらも楽しくなってくる。
カラオケの採点表、机にはチェス、ホワイトボードには五角形のチャート。
凡そ将棋教室とは思えない風景だ。カオス。
人前で語れるほどなのだから、これはもう趣味の域を脱している。そんな様子をみんなで一緒に楽しんだ。
決して自分から盛り上げていくタイプでないものの、求められれば応える男。実は人懐っこい。菅井七段に少し似ているかもしれない。
私は棋士がどのように生き抜いていくのか、どのように頂点に立てるのかの方策は知らない。どのように応援して、彼らの力になれば良いかも分からない。でも、今日この時に集まった者で共有した時間によって形成されたであろう縁が、何かの時の最後の一押しになってくれればと思っている。まだ夢の途中。光の先の未来に一緒に共に立つ日は遠くないと願い、私はこのナンバーを選曲する。
"Stand By You"
Official髭男dism
Stand By You いつも Stand By You
未来がハイになる 君と歌になる
Stand By You 眠らない街の喧騒を抜け出して
Stand By You 光溢れた夢の続きは君と共に
未来がハイになる 君と歌になる
Stand By You 眠らない街の喧騒を抜け出して
Stand By You 光溢れた夢の続きは君と共に
(文 @tothewolrd)
2019年5月25日土曜日
第9回 女流棋士の知と美 ライブプロダクション
天カメを設置してプロジェクターに投影するという単純な仕事ではありますが、対局者の姿も同時に見せたいとなると映像合成が必要となります。
今回は XSplit (有料版)を使うことにより、以前、気になっていたウインドウ枠が映り込むことがありません。
今回は Switch の実演があるため、映像素材の入れ替えがあります。別にしておくことも物理的にはできるのですが、手持ちのPCでは非力すぎて安定しないため、スイッチャーで切り替えることにします。
設置するだけで1時間。天カメ調整に30分以上。Switch の配線検討とリハに1時間と、朝から準備を進めているものの、全く余裕がありません。
色々とミスはあったのですが、なんとか本番を終了。
撤収にも1時間ぐらいかかります。
ステージを楽しむ時間などなく、ただただ集中して、そして慌ただしく片付けて終了。
とにかく疲れました。
色々とミスはあったのですが、なんとか本番を終了。
撤収にも1時間ぐらいかかります。
ステージを楽しむ時間などなく、ただただ集中して、そして慌ただしく片付けて終了。
とにかく疲れました。
2019年4月7日日曜日
[放送後記] 長岡裕也 五段を迎えてのトークライブ 「羽生善治 × AI」
ようやく春らしい陽気を迎えた東京は、朝から晴れて気持ちが良い。
2019年4月6日、つい先日には新しい元号が発表され、人々は平成の振り返りと新しい時代への期待とが入り交じる日々を過ごしている。
平成を代表する棋士といえば「羽生善治」と答える人が多いかもしれない。羽生善治氏は1985年12月18日にプロデビューを果たしている。平成が始まるのは1989年。羽生氏は昭和生まれ・昭和デビューではあるが、1990年(平成二年)に竜王タイトルを獲得してから快進撃を続け、平成30年末に竜王タイトルを失うまでの間に99期ものタイトルを保持したことからも、平成は羽生の時代と言っても過言ではなかろう。
今まで事あるたびに羽生氏は分析された。
各界の一流人が対談し、脳科学者はMRIで羽生の脳をスキャンした。
それでも彼の勝負強さがどこから来るものなのかは解明されることはなかった。
しかし、近年の将棋ソフトの著しい進化により将棋は数値化されるようになり、羽生の将棋も徹底的に研究される対象となった。今まで棋士が束になっても分かることが無かった羽生の一手、あるいは究極の一手が解き明かされつつある。かつて、羽生にだけ見えていた世界が、AI によってこじ開けられつつあるのだ。
誰しもが知りたい羽生善治の強さを間近で長く感じている棋士がいる。
テレビ番組で「羽生の右腕」として紹介され、10年にも及ぶ VS (ブイエス - 1:1 での練習将棋) を続けている相手、長岡裕也 五段である。
羽生善治との対局はそれが非公式といえども誰しもが望むものである。
「羽生善治 × AI」の中でも触れられているが、「なぜ長岡裕也が?」ということについては羽生本人に直接聞くのは無粋というものだ。だが羨む周囲が大いなる推測をしても構わないだろう。
今回のトークライブの開催にあたって、長岡五段の要請により異例の事前準備が行われた。いつもは棋士・女流棋士が当日来てパッとやるというスタイルで、運営側だけの準備だけで足りている。だが長岡裕也は完璧を求めた。2週間前に3時間に及ぶ打ち合わせで内容のすり合わせを行い、4800字の進行台本に目を通した。私たちは打ち解け、慣れ、余計な探り合いは不要となった。

この真摯に向き合う姿勢が羽生の心を動かしたのかもしれない。
なんとなく、私はそう思った。
番組の様子は YouTube のアーカイブを観ていただければと思う。
番組内で紹介された本
勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント
生放送終了後は会場からも多くの質問があがり、一つ一つに対して丁寧に回答いただいた。
「羽生先生に本について報告しました。"長岡君が書くの?"と2回聞かれました。」の件は面白い。
そして、「羽生先生は読んでいないと思います。普通、読まないですよね?(笑)」ということで、読んでいないだろうという見立てです。
トークが終わり、丁寧にサインを行い、その間には台湾で行われている叡王戦の様子も気に掛けつつ、全ての予定をこなすと午後11時を廻っていた。
「羽生先生は神ではないですよ。人間です。当たり前のことを積み上げていくことに強さがあると思います。」
羽生の右腕は、そういって笑う。
私たちは、その「当たり前のこと」が高度で膨大であることを知っている。それを続けることがいかに難しいことであろうことも想像できる。
AI が将棋の解明を手助けをし、羽生だけが見えていた世界が羽生だけのものではなくなりつつある。それを一番感じてるのが羽生本人であり、その変化を感じているが長岡裕也である。
いつか将棋は暗記と計算のゲームになってしまうかもしれないという憂慮は、第一線で戦うプロ棋士の多くが持っているかもしれない。この10年とこれから先の10年は近似値的に比例するグラフを描くがごとく進むか、あるいは更に加速していくのか。将棋の魅力は褪せることは無く、人々は盤上の戦いに心奪われ続けるのだろうか。
今を記憶しよう。 もがき、熱中し、探った日々を記憶にとどめよう。
いつか時代は変わり、多くは過去の記憶をも消し去り無かったものとして扱われる。
だからこそ、今をしっかりと記憶に焼き付けよう。私たちが羽生善治と歩んだ平成、そして、その記憶を確かに裏付けてくれる書籍と共に。
「羽生善治 × AI」と共に。
(文 @totheworld)
2019年4月6日、つい先日には新しい元号が発表され、人々は平成の振り返りと新しい時代への期待とが入り交じる日々を過ごしている。
平成を代表する棋士といえば「羽生善治」と答える人が多いかもしれない。羽生善治氏は1985年12月18日にプロデビューを果たしている。平成が始まるのは1989年。羽生氏は昭和生まれ・昭和デビューではあるが、1990年(平成二年)に竜王タイトルを獲得してから快進撃を続け、平成30年末に竜王タイトルを失うまでの間に99期ものタイトルを保持したことからも、平成は羽生の時代と言っても過言ではなかろう。
今まで事あるたびに羽生氏は分析された。
各界の一流人が対談し、脳科学者はMRIで羽生の脳をスキャンした。
それでも彼の勝負強さがどこから来るものなのかは解明されることはなかった。
しかし、近年の将棋ソフトの著しい進化により将棋は数値化されるようになり、羽生の将棋も徹底的に研究される対象となった。今まで棋士が束になっても分かることが無かった羽生の一手、あるいは究極の一手が解き明かされつつある。かつて、羽生にだけ見えていた世界が、AI によってこじ開けられつつあるのだ。
誰しもが知りたい羽生善治の強さを間近で長く感じている棋士がいる。
テレビ番組で「羽生の右腕」として紹介され、10年にも及ぶ VS (ブイエス - 1:1 での練習将棋) を続けている相手、長岡裕也 五段である。
羽生善治との対局はそれが非公式といえども誰しもが望むものである。
「羽生善治 × AI」の中でも触れられているが、「なぜ長岡裕也が?」ということについては羽生本人に直接聞くのは無粋というものだ。だが羨む周囲が大いなる推測をしても構わないだろう。
今回のトークライブの開催にあたって、長岡五段の要請により異例の事前準備が行われた。いつもは棋士・女流棋士が当日来てパッとやるというスタイルで、運営側だけの準備だけで足りている。だが長岡裕也は完璧を求めた。2週間前に3時間に及ぶ打ち合わせで内容のすり合わせを行い、4800字の進行台本に目を通した。私たちは打ち解け、慣れ、余計な探り合いは不要となった。
この真摯に向き合う姿勢が羽生の心を動かしたのかもしれない。
なんとなく、私はそう思った。
番組の様子は YouTube のアーカイブを観ていただければと思う。
番組内で紹介された本
勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント
生放送終了後は会場からも多くの質問があがり、一つ一つに対して丁寧に回答いただいた。
「羽生先生に本について報告しました。"長岡君が書くの?"と2回聞かれました。」の件は面白い。
そして、「羽生先生は読んでいないと思います。普通、読まないですよね?(笑)」ということで、読んでいないだろうという見立てです。
トークが終わり、丁寧にサインを行い、その間には台湾で行われている叡王戦の様子も気に掛けつつ、全ての予定をこなすと午後11時を廻っていた。
「羽生先生は神ではないですよ。人間です。当たり前のことを積み上げていくことに強さがあると思います。」
羽生の右腕は、そういって笑う。
私たちは、その「当たり前のこと」が高度で膨大であることを知っている。それを続けることがいかに難しいことであろうことも想像できる。
AI が将棋の解明を手助けをし、羽生だけが見えていた世界が羽生だけのものではなくなりつつある。それを一番感じてるのが羽生本人であり、その変化を感じているが長岡裕也である。
いつか将棋は暗記と計算のゲームになってしまうかもしれないという憂慮は、第一線で戦うプロ棋士の多くが持っているかもしれない。この10年とこれから先の10年は近似値的に比例するグラフを描くがごとく進むか、あるいは更に加速していくのか。将棋の魅力は褪せることは無く、人々は盤上の戦いに心奪われ続けるのだろうか。
今を記憶しよう。 もがき、熱中し、探った日々を記憶にとどめよう。
いつか時代は変わり、多くは過去の記憶をも消し去り無かったものとして扱われる。
だからこそ、今をしっかりと記憶に焼き付けよう。私たちが羽生善治と歩んだ平成、そして、その記憶を確かに裏付けてくれる書籍と共に。
「羽生善治 × AI」と共に。
(文 @totheworld)
2019年3月31日日曜日
[放送後記] 門倉啓太五段を迎えてのトークライブ
桜咲く東京の春。
この数日は満開を迎える桜を前に花冷えが続いている。
あと1か月足らずで平成が終わる。元号という制度による区切りでしかないものの、人々は平成として過ぎ去った30年を思い返す。時にして振り返ることも、自らの存在の確かさを証明するのに必要かもしれない。
近年の将棋ソフトの隆盛により、将棋は初手から点数がつけられ、リスクを許容する指し手が減ってきている。序盤で飛車をどこかの筋に振ろうものなら、すぐさまにマイナスを表示する。振り飛車党 冬の時代と言われ、ソフトに咎められても自らを信じる力を持つ者だけが序盤を創造する希望を託される。
その一人が、今回のゲストでもある門倉啓太五段である。
棋士とは何者か?を探るのが、ねこまど将棋チャンネルのミッションでもある。
ファン代表として、素朴な疑問を10の質問で聞いてみた。
そして、2つの無茶ぶりにも答えていただきました。
1.新元号を予想してください!
門倉五段の答えは、「棋栄」という教科書のような回答。
「きえい」という読みは当たるかもしれません。
鬼影とか、鬼詠かもしれません。羽生さんという鬼が国民栄誉賞となる時代ですからね。
2.マニアッククイズ出してください!
プロ入り後の門倉四段(当時)が 2014年のA級順位戦 最終局 三浦-久保 が一番長かった記録係としての対局ということで、その終局時間は?というのが問題です。
A. 2時
B. 3時
C. 4時
ちなみに、この時の一斉対局は静岡の浮月楼で行われ、通常の10時開始よりも1時間早く9時から対局が開始されています。
1時間以上も秒読みが続く大激闘で、正座で通した門倉先生も最後は疲れ切ったようです。
今回、新刊 「振り飛車の新機軸! 初手▲7八飛戦法」が発売されました。
振り飛車は、どのような戦型でも概ね相手を気にせず駒組みをできる利点があり、今回の初手 7八飛 は、更に先手駒組みを有利に進めようとする作戦です。
放送後の観客からの質問は駒組みに関することに集中しました。
ストロングです。
今回の客層は将棋に真面目に取り組む向上心の強い指す将です。素晴らしい。
講座の宣伝もします。
集中して覚えれば武器になること間違いなしです。
新元号がどうなるのか、新しい将棋界はどうなるのか、これからも楽しみですね。
(文 @totheworld)
この数日は満開を迎える桜を前に花冷えが続いている。
あと1か月足らずで平成が終わる。元号という制度による区切りでしかないものの、人々は平成として過ぎ去った30年を思い返す。時にして振り返ることも、自らの存在の確かさを証明するのに必要かもしれない。
近年の将棋ソフトの隆盛により、将棋は初手から点数がつけられ、リスクを許容する指し手が減ってきている。序盤で飛車をどこかの筋に振ろうものなら、すぐさまにマイナスを表示する。振り飛車党 冬の時代と言われ、ソフトに咎められても自らを信じる力を持つ者だけが序盤を創造する希望を託される。
その一人が、今回のゲストでもある門倉啓太五段である。
棋士とは何者か?を探るのが、ねこまど将棋チャンネルのミッションでもある。
ファン代表として、素朴な疑問を10の質問で聞いてみた。
1.
将棋界では一番背が高い
2.
ニックネームの「カドック」は気に入っている
3.
書道が得意だ
4.
対局の前日は良く眠れる
5.
対局の日の食事の注文は迷わないほうだ
6.
対局には必ず持っていくものがある
7.
棋書を書くのは好きだ
8.
将棋を覚えたら、まず振り飛車を指すべきだ
9.
将棋は先手が好きだ
10.
先手で78飛を指せば勝てる!そして、2つの無茶ぶりにも答えていただきました。
1.新元号を予想してください!
門倉五段の答えは、「棋栄」という教科書のような回答。
「きえい」という読みは当たるかもしれません。
鬼影とか、鬼詠かもしれません。羽生さんという鬼が国民栄誉賞となる時代ですからね。
2.マニアッククイズ出してください!
プロ入り後の門倉四段(当時)が 2014年のA級順位戦 最終局 三浦-久保 が一番長かった記録係としての対局ということで、その終局時間は?というのが問題です。
A. 2時
B. 3時
C. 4時
ちなみに、この時の一斉対局は静岡の浮月楼で行われ、通常の10時開始よりも1時間早く9時から対局が開始されています。
1時間以上も秒読みが続く大激闘で、正座で通した門倉先生も最後は疲れ切ったようです。
今回、新刊 「振り飛車の新機軸! 初手▲7八飛戦法」が発売されました。
振り飛車は、どのような戦型でも概ね相手を気にせず駒組みをできる利点があり、今回の初手 7八飛 は、更に先手駒組みを有利に進めようとする作戦です。
放送後の観客からの質問は駒組みに関することに集中しました。
ストロングです。
今回の客層は将棋に真面目に取り組む向上心の強い指す将です。素晴らしい。
講座の宣伝もします。
集中して覚えれば武器になること間違いなしです。
新元号がどうなるのか、新しい将棋界はどうなるのか、これからも楽しみですね。
(文 @totheworld)
2019年3月17日日曜日
【放送後記】山根ことみ女流初段を迎えてのトークライブ
ねこまど将棋チャンネル vol.35
「第9回 女流棋士の知と美」が2019年5月20日に開催されることとなり、宣伝も兼ねて、山根ことみ女流初段にお越しいただき、ねこまど将棋チャンネル vol.35 を放送しました。関東に移籍して半年、ニコニコ、abemaTV への出演もあり、その名前も将棋界の中では全国区になってきている。
ねこまど将棋チャンネルの重要な方針として、ゲストのパーソナリティが分かるように伝えたいという思いがある。
今回は不思議少女とうまくコミュニケーションを取れるだろうか・・
生放送が始まる前に色々と準備。
それは「自撮りチェキ」。
#知と美 での物販に取り入れられないかと考え、今回試し撮りをして観客にプレゼントすることにしました。
これで少しリラックスしてもらい生放送に臨みました。
「女流棋士の知と美」に出演したかったという山根女流。
関東に来てからは「ことみん」の愛称で呼ばれていますが、愛媛の時には「ヤマネコさん」と呼ばれていたそう。私が事前に予想していた「ヤマネン」はかすりもしませんでした。
そうそう、ことみん。
芸能人で例えると、島崎遥香と上野樹里を足したような感じだと思います。
昔の山根さんを知りませんが、どんどん綺麗になっていますね。
知と美で、どのような着物に身を包むのか楽しみですね。
きっととても似合うと思います。
そして、
若手の中では才能がある有力株ですので、何かのきっかけを掴めば大きな舞台へと進んでいきそうです。

女流棋士の知と美では間近で対局を観戦し、物販等で直接 応援の言葉を掛けることもできます。一人一人の応援が、きっと彼女の背中を押す力となると思います。ぜひ、会場にお越しください。
また、ことみんがツイッターを開始しました。登録しよう!
twitter @kokoko6987
ねこまど将棋チャンネル vol.35
山根ことみ女流初段 トークライブ
https://www.youtube.com/watch?v=oJl8HEV4Ln8
(文 @tothewold)
2019年2月23日土曜日
[収録中] 2/23(土) 山本博志四段 全3回「平手初心者のための楽しく覚える三間飛車入門講座(集中レッスン)」」
2/23(土) 山本博志四段 全3回「平手初心者のための楽しく覚える三間飛車入門講座(集中レッスン)」
http://nekomadoblog.jugem.jp/?eid=1841
(最初の挨拶を撮って出し)
「三間飛車 最高!」を声高に叫ぶ山本博志四段は、デビュー後、現時点で3勝2敗。三枚堂・佐々木(大)の同世代の二人には負けているものの、三間飛車が故に負けているわけではない。むしろ序中盤は有利に進めていることから、三段飛車の戦法が否定されているわけではない。
山本四段の講座は今までも数回、ねこまど将棋教室で行われている。
とても分かりやすく、丁寧に三間飛車の魅力と「勝つポイント」を教えてくれる。本を読むのも良いが、講座を聞いて視覚と音声で理解するのも良い方法。
山本四段の講座は雑談がほとんど無いストロングスタイル。
物腰も説明も柔らかだが、集中してついていかないと置いて行かれる。
なので動画を収録しています。
ねこまどオンライン、まずは会員登録(無料)してね!
2019年2月5日火曜日
豊川七段の達観
ねこまど将棋チャンネル 豊川七段のトークライブを終える。
ファンを大切にする姿勢を見せてくれる豊川先生だが、たぶん、勝負の場になると豹変するんだろうなと感じさせる。それは二面性ということなのだけれども、勝負師だから当然だと思うし、むしろ、ファン向けの顔ができる人というのは器用な人なんだろうなと思ったりもする。あるいは家族に見せる顔も違うかもしれない。三面性。あるいは自分ひとりの時はまた別の顔かもしれない。四面性。
ある種、人生を達観しているようにも思える。
そこはかとないパワー。それはファンに向ける明るい笑顔とダジャレのオンパレードというような分かりやすい表現とは別の、なにか異質のエネルギーを感じる人、というのが私の率直な感想です。
私は人間の本質を探ったりするのが好きだ。だから考えすぎているだけかもしれない。でも感じたことを書き記すことが私の役目。将棋が文化として成立するには、私を含めた多くの無名の人の考えや感情が残されなければならない。それが体系化されなければならない。
さて、豊川七段アイデアの「格言ってニャンだろう」という講座を作ろうという話をしています。なんとか形にしよう。
おちゃめな豊川先生
2019年もやることが多い。
(文:@totheworld)
2018年2月18日日曜日
ゲストに森内俊之九段を迎えて
日本将棋連盟専務理事 森内俊之九段を迎えてのトークライブ。
理事職で多忙の森内九段は、その影響かどうか「だいぶ痩せました」と、でも体調が悪いわけではなさそうで、いつもの笑顔を見せてくれた。
受けの棋風と言われる将棋と同じように、今回のトークライブで丁寧に全てに応対をする森内九段は懐が広く、偉大であるのに無限な柔らかさを抱え何もかも受け止めてしまう大きな躯体は、雄大なアルプス山脈のような父性を感じる。将棋界の父親だ。
女性参加者が多いのはそのためだろうか?
北尾まどか女流とは十数年来の仲ということもあり、その親密感を借用させてもらい、トークライブを進めることができた。
準備に余裕があったので簡単に打ち合わせを行い緊張をほぐす。
永世名人資格保持者に何をさせてしまったのだろう・・
嫌な顔一つせず、楽しんでくれる様子は、やはり子ども相手の父親のようでもある。
トークのほうは YouTube 動画を見ていただければ、お分かりいただけるかと思います。森内九段らしさを堪能することができます。
「何書きましょうかね?カレーに関することにしましょうか。」と言い、ご自身で書かれたフレーズです。(強要していませんよ。いや、期待のプレッシャーは掛けなんかましたけど。北尾先生がw)
なんかほっとする。なんか安心する。
そんな森内九段の笑顔に平和を感じる日曜の朝となりました。
これが、これこそが「流れは完全に森内」なのだろう。
午前のトークライブを終え、午後のプレミアムカレー会に向かうこととなり、私が現地までの案内役を務める際には、小柄な私に代わって森内九段自らが大きな体で大きく手を振りタクシーを止めてくださいました。そんなこともサラッとこなす森内先生は、大きな男という言葉がぴったり。
この大きな船に身を委ねて、大河を下り、大海に向かおう。
もっともっとスケールの大きい世界が見えるかもしれない。
私は確信した。そして多くの人が確信している。
(文 @totheworld)
理事職で多忙の森内九段は、その影響かどうか「だいぶ痩せました」と、でも体調が悪いわけではなさそうで、いつもの笑顔を見せてくれた。
受けの棋風と言われる将棋と同じように、今回のトークライブで丁寧に全てに応対をする森内九段は懐が広く、偉大であるのに無限な柔らかさを抱え何もかも受け止めてしまう大きな躯体は、雄大なアルプス山脈のような父性を感じる。将棋界の父親だ。
女性参加者が多いのはそのためだろうか?
北尾まどか女流とは十数年来の仲ということもあり、その親密感を借用させてもらい、トークライブを進めることができた。
永世名人資格保持者に何をさせてしまったのだろう・・
嫌な顔一つせず、楽しんでくれる様子は、やはり子ども相手の父親のようでもある。
トークのほうは YouTube 動画を見ていただければ、お分かりいただけるかと思います。森内九段らしさを堪能することができます。
「何書きましょうかね?カレーに関することにしましょうか。」と言い、ご自身で書かれたフレーズです。(強要していませんよ。いや、期待のプレッシャーは掛けなんかましたけど。北尾先生がw)
なんかほっとする。なんか安心する。
そんな森内九段の笑顔に平和を感じる日曜の朝となりました。
これが、これこそが「流れは完全に森内」なのだろう。
午前のトークライブを終え、午後のプレミアムカレー会に向かうこととなり、私が現地までの案内役を務める際には、小柄な私に代わって森内九段自らが大きな体で大きく手を振りタクシーを止めてくださいました。そんなこともサラッとこなす森内先生は、大きな男という言葉がぴったり。
この大きな船に身を委ねて、大河を下り、大海に向かおう。
もっともっとスケールの大きい世界が見えるかもしれない。
私は確信した。そして多くの人が確信している。
(文 @totheworld)
2018年1月12日金曜日
「第7回女流棋士の知と美」を支えるライブプロダクション
昨年末に行われた第7回女流棋士の知と美 (2017.12.18) において、様々な事情が重なり合い、ライブプロダクションの依頼が私のもとに来た。
ライブプロダクションとは、当日の舞台上の動画撮影と劇場内での中継である。
将棋の中継で欠かせないのは天井から吊り下げて盤面を映す、通称天カメだ。加えて、対局者の表情を映すためのカメラがあったほうが迫力がある。舞台全体も抑えておく必要があるし、解説者の映像も必要である。複数のカメラを上手く設置しなければならない。それだけであれば、それほどの苦労は無いのだが、これらのカメラの一部は舞台上のスクリーンに投影して、リアルタイムで観客に見せなければならない。具体的には「天カメ+対局者二人の様子」:計3つの映像ソースを1つの画面に合成してプロジェクターを通してスクリーンに投影するという作業をしなければならない。
ここで二つ懸念があった。
ひとつは、1画面+2ワイプを行ったことが無い。ということ。1画面+1ワイプは経験があるが、更にもう一つ映像ソースを加えることができるのか。
もうひとつは、3画面構成をしながら、現状スペックのPCで問題なく動き続けることができるか?ということである。
この二つは、結局のところPCのマシンパワーに依存するところが大きい。
HDMI ソースを USB 経由でPCに取り込み、1画面に収まるように合成編集し、それをリアルタイムで流す。これだけで相当なパワーが必要そうに思われる。
その前に、どのようなソフトウェアで合成すればよいのか全く分からなかった。ねこまど将棋チャンネルでは OBS (Open Broadcasting Software) で映像合成を行い配信を行っている。今回はそれをそのまま使ったのだが、残念ながら欠点が一つあり、配信プレビュー画面において、「メニューバーが消えない」のである。よって、いくぶん残念なものの、現場で投影された画面の上部にはメニューバーも投影されている。
有償版の xsplit であれば出来たかもしれないが、依頼が来た時にはすでに1週間を切っており、新しい試みをしている余裕はなかった。
有償版の xsplit であれば出来たかもしれないが、依頼が来た時にはすでに1週間を切っており、新しい試みをしている余裕はなかった。
ビデオスイッチャーの導入も考えたが、1ワイプまでは機器側でできるものの、2ワイプ可能なスイッチャーが安価で購入できそうになかった。故に、ソフトウェアでの合成編集となった。PC のパワーが不安だ。
事前に構成図を書き、構想を練る。下見に行けないので当日素早くセッティングできるように頭に叩き込んでおかなければならない。
なお、前回(第6回)は囲碁将棋チャンネルさんが全てのライブプロダクションを行っており、銀河将棋チャンネル(有料)にて閲覧することができる。
彼らはプロであり、こちとら素人で私一人である。無論、プロ機材は一切なく、民生機器で全てを乗り切ろうとしている。幸い、当日は二人手伝いが加わり、素早くセッティングすることができたが、戦力不足は否めない。
ただ、最悪、天カメ(対局者ワイプ無)だけの投影であれば、カメラの映像をプロジェクターに直接繋いで映せば良いから何の手間も無い。
セッティングにおいて、[カメラ] - [HDMI-USB変換] - [PC] において、クセ(相性)みたいなものがあり、里見カメラを当初の予定とは違う機材を使用した。会場のライティングの関係で、どうしても赤い映像になってしまい、最後は調整しきれなかった。
また、スタジオではなく舞台でやっていることもあり、カメラは固定せざるを得ず、対局者がフレームから外れるということもあったが、致し方ない。
100点満点ではないが、ベストエフォートで頑張り、そしてPCも落ちることなく終わることができた。この様子なら、同時生配信も可能だったかもしれない。落ちるのが怖いけども。
なお、後日配信用に映像を編集している。
舞台後方のスクリーンには、天カメ映像と解説用将棋ソフトを切り替えて投影している。
解説者は、天彦名人と斎藤七段。なんて豪華なんだろう。そして、読み上げは急きょ頼本女流が担当している。
配信用動画は対局前の対局者・解説陣からの見どころコメント、対局後の対局者コメントも収録している。見どころが多い動画に仕上がっていると思います。加えて、対局前のトークショーも編集して配信動画に仕立てている。
さあ、どうすれば、この動画を見ることができるのか?
それは、後日、ねこまど将棋教室から発表がある予定です。
お楽しみに。
(@totheworld)
なお、前回(第6回)は囲碁将棋チャンネルさんが全てのライブプロダクションを行っており、銀河将棋チャンネル(有料)にて閲覧することができる。
彼らはプロであり、こちとら素人で私一人である。無論、プロ機材は一切なく、民生機器で全てを乗り切ろうとしている。幸い、当日は二人手伝いが加わり、素早くセッティングすることができたが、戦力不足は否めない。
ただ、最悪、天カメ(対局者ワイプ無)だけの投影であれば、カメラの映像をプロジェクターに直接繋いで映せば良いから何の手間も無い。
セッティングにおいて、[カメラ] - [HDMI-USB変換] - [PC] において、クセ(相性)みたいなものがあり、里見カメラを当初の予定とは違う機材を使用した。会場のライティングの関係で、どうしても赤い映像になってしまい、最後は調整しきれなかった。
また、スタジオではなく舞台でやっていることもあり、カメラは固定せざるを得ず、対局者がフレームから外れるということもあったが、致し方ない。
100点満点ではないが、ベストエフォートで頑張り、そしてPCも落ちることなく終わることができた。この様子なら、同時生配信も可能だったかもしれない。落ちるのが怖いけども。
なお、後日配信用に映像を編集している。
舞台後方のスクリーンには、天カメ映像と解説用将棋ソフトを切り替えて投影している。
解説者は、天彦名人と斎藤七段。なんて豪華なんだろう。そして、読み上げは急きょ頼本女流が担当している。
配信用動画は対局前の対局者・解説陣からの見どころコメント、対局後の対局者コメントも収録している。見どころが多い動画に仕上がっていると思います。加えて、対局前のトークショーも編集して配信動画に仕立てている。
さあ、どうすれば、この動画を見ることができるのか?
それは、後日、ねこまど将棋教室から発表がある予定です。
お楽しみに。
(@totheworld)
2018年1月3日水曜日
2018.2.18 [イベント] 森内俊之九段トークライブを開催します
森内俊之九段 ・ 将棋連盟理事をねこまど将棋教室にお迎えし、トークライブを開催します。開始から30分のみ YouTube Live で生放送します。残りの時間は、オフレコな話やカレースプーンを持ってツーショット撮影会をしたりします。
以下より確認し、お申込みください。
https://nekomado.wixsite.com/shogi-channel/2018-moriuchi
衝撃のフリークラス宣言から、現在は将棋連盟理事として将棋界を背負われている多忙な森内先生に、定番の話題から最新の事情まで色々とお話を聞いていきたいと思っています。「10の質問コーナー」もやろうと思っています。
バックギャモンやポーカーについても聞いてみたいですね。
トークライブ終わりには色紙や扇子のサイン会(別途有料)も行います。
お近くの方はぜひ、お越しください。
遠方の方は、ねこまど将棋チャンネル放映にてお楽しみください。
以下より確認し、お申込みください。
https://nekomado.wixsite.com/shogi-channel/2018-moriuchi
衝撃のフリークラス宣言から、現在は将棋連盟理事として将棋界を背負われている多忙な森内先生に、定番の話題から最新の事情まで色々とお話を聞いていきたいと思っています。「10の質問コーナー」もやろうと思っています。
バックギャモンやポーカーについても聞いてみたいですね。
トークライブ終わりには色紙や扇子のサイン会(別途有料)も行います。
お近くの方はぜひ、お越しください。
遠方の方は、ねこまど将棋チャンネル放映にてお楽しみください。
2017年12月30日土曜日
吉田将棋碁盤店に行ってきた
駒doc. の取材があるというので同行してビデオカメラを廻してみた。
前々から興味はあったのだけれども、いかんせん、遠い。
数時間にわたるインタビューを十数分にまとめたものを YouTube で公開しました。
見どころは良い盤の見分け方だろう。
脚の機械彫りはチェックすべきポイントだ。
良かったら動画見てください。
2017年11月15日水曜日
第七回 女流棋士の知と美
里見咲紀 女流初段の指導対局があるというので "客" として参加。
ついでに動画を撮影。
里見さんは指導対局の後、撮影の仕事があるということで指導対局会が始まる直前の合間の時間に動画を撮りました。
教室はカメラ的には暗い空間なので、明るいレンズを使う必要があります。
それでも暗いのだけど致し方ない。
にしても、咲紀さん美人過ぎて困ってしまいます。
指導対局の方は、超攻め将棋で悠長な駒組みを許してくれないという速度で攻めてきます。怖い怖い。
知と美が楽しみですね。
2017年8月21日月曜日
配信のメモ
配信に関して備忘録的な。
生配信は簡単なのだけれども、月に1回なので結構忘れることもある・・
基本構成は、Windows PC + OBS + Wifi (4G LTE) で、これに機材を足していく。
一番安定して動作するのは、
映像 : JVC Everio (HDMI Out) -> AVerMedia AVT-C875 -> PC In
マイク : マイク -> Yamaha AG-06 -> PC In
の構成。
AVT-C875 は少しクセがあるが、一度、ちゃんと動作しだすと安定している。
音声(映像)の遅延も発生しない。
マイクは雑音が入らないのが良い点だが、マイクから離れると声を拾わない。
映像を SONY NEX VG-10 (HDMI Out) にすると映像が少し遅れてやってくる。
これは OBS の設定で調整可能ではある。
Vol.20 では、Zoom Q4n を使ってみた。今まで記録用としてしか使っていなかったが、HDMI Out があるから試してみたかった。Zoom Q4n は超広角、録音音質も良いのでライブステージを記録撮影するには最適である。
HDMI 機器の場合、HDMI Out の時、映像だけではなく音声も出力しているはずで、OBS のゲージでも音声が入っているのが分かるが、Vol.20 の冒頭では実際には音声が配信されなかった。PC のマイクをオンにして配信を再開した。結果としては、これが Zoom Q4n からの音声のオンにもなっていたようだ。配信映像を見返してみると、音声は Zoom 品質のようだ。
戸辺七段の回ではガンマイク RODE NTG2を使った。さすがの音質。大きいので固定ではなく音声担当が上から拾うのが良いが、我がチームは人がいないので据え置きで使った。マイクが映像に写り込まないようにする工夫が必要。
RODE NTG2 を AG-06 に通して SONY NEX VG-10 に外部入力させると大きくノイズが出る。ホワイトノイズの比じゃない。S/N比がおかしくなったかのよう。
しかし、同じように Zoom Q4n に通すとノイズが出ない。
NEX VG-10 の不具合化と思い、ADZEN SMX-10 に変えて外部入力してみると問題ない。ADZEN SMX-10 を Zoom Q4n に入れても問題は無い。
AG-06 の不具合かと思い、電源を変えたり、ケーブルを変えたりするが、AG-06 + SONY NEX VG-10 の構成でのみ大きなノイズが発生する。相性だろうか。
RODE NTG2 から直接(AG-06を通さず)、SONY NEX VG-10 に外部入力するのは試していない。変換コネクタを持っていないからだ。
Vol.20 では、写真を見ながら話をするというスタイルで、この写真をどのように配信に乗せるのか、いくつかの方法があるのだけれども、別ウィンドウ、ゲームソースなどがなぜかうまく作動せず、Web の別画面をキャプチャーするという方法で行った。だが裏では、なぜかセカンドスクリーンが認識されず、メインスクリーンを北尾先生に操作してもらい、セカンドスクリーン側に OBS のウィンドウを持っていき私が操作した。
自宅での準備と、ねこまど教室に移動してからの動作が違う事も度々。
生配信には苦労が尽きない。
次は YouTube + 他のストリームという二重配信を試してみたいと思っているのだが、アップロードが 4G LTE で足りるかどうか少々不安。実際、上りで 500M も出れば上出来で、実際にはその半分以下だったりする。配信用PCのスペックは十分なので、いずれはトライしてみたい。ねこまど将棋教室に光回線が入ればできるのだろうけども。
なお、配信用の機材は全て私物持ち込みである。
そのため、私は毎回スーツケースで移動している。移動放送局。どこからでも、そこそこの画質と音声で配信可能である。
生配信は簡単なのだけれども、月に1回なので結構忘れることもある・・
基本構成は、Windows PC + OBS + Wifi (4G LTE) で、これに機材を足していく。
一番安定して動作するのは、
映像 : JVC Everio (HDMI Out) -> AVerMedia AVT-C875 -> PC In
マイク : マイク -> Yamaha AG-06 -> PC In
の構成。
AVT-C875 は少しクセがあるが、一度、ちゃんと動作しだすと安定している。
音声(映像)の遅延も発生しない。
マイクは雑音が入らないのが良い点だが、マイクから離れると声を拾わない。
映像を SONY NEX VG-10 (HDMI Out) にすると映像が少し遅れてやってくる。
これは OBS の設定で調整可能ではある。
Vol.20 では、Zoom Q4n を使ってみた。今まで記録用としてしか使っていなかったが、HDMI Out があるから試してみたかった。Zoom Q4n は超広角、録音音質も良いのでライブステージを記録撮影するには最適である。
HDMI 機器の場合、HDMI Out の時、映像だけではなく音声も出力しているはずで、OBS のゲージでも音声が入っているのが分かるが、Vol.20 の冒頭では実際には音声が配信されなかった。PC のマイクをオンにして配信を再開した。結果としては、これが Zoom Q4n からの音声のオンにもなっていたようだ。配信映像を見返してみると、音声は Zoom 品質のようだ。
戸辺七段の回ではガンマイク RODE NTG2を使った。さすがの音質。大きいので固定ではなく音声担当が上から拾うのが良いが、我がチームは人がいないので据え置きで使った。マイクが映像に写り込まないようにする工夫が必要。
RODE NTG2 を AG-06 に通して SONY NEX VG-10 に外部入力させると大きくノイズが出る。ホワイトノイズの比じゃない。S/N比がおかしくなったかのよう。
しかし、同じように Zoom Q4n に通すとノイズが出ない。
NEX VG-10 の不具合化と思い、ADZEN SMX-10 に変えて外部入力してみると問題ない。ADZEN SMX-10 を Zoom Q4n に入れても問題は無い。
AG-06 の不具合かと思い、電源を変えたり、ケーブルを変えたりするが、AG-06 + SONY NEX VG-10 の構成でのみ大きなノイズが発生する。相性だろうか。
RODE NTG2 から直接(AG-06を通さず)、SONY NEX VG-10 に外部入力するのは試していない。変換コネクタを持っていないからだ。
Vol.20 では、写真を見ながら話をするというスタイルで、この写真をどのように配信に乗せるのか、いくつかの方法があるのだけれども、別ウィンドウ、ゲームソースなどがなぜかうまく作動せず、Web の別画面をキャプチャーするという方法で行った。だが裏では、なぜかセカンドスクリーンが認識されず、メインスクリーンを北尾先生に操作してもらい、セカンドスクリーン側に OBS のウィンドウを持っていき私が操作した。
自宅での準備と、ねこまど教室に移動してからの動作が違う事も度々。
生配信には苦労が尽きない。
次は YouTube + 他のストリームという二重配信を試してみたいと思っているのだが、アップロードが 4G LTE で足りるかどうか少々不安。実際、上りで 500M も出れば上出来で、実際にはその半分以下だったりする。配信用PCのスペックは十分なので、いずれはトライしてみたい。ねこまど将棋教室に光回線が入ればできるのだろうけども。
なお、配信用の機材は全て私物持ち込みである。
そのため、私は毎回スーツケースで移動している。移動放送局。どこからでも、そこそこの画質と音声で配信可能である。
2017年7月25日火曜日
[観戦記] 北尾まどかの戦い マイナビ女子オープン一斉予選 2017.7.22
梅雨明けしたばかりの東京は、それでもなお湿った重い空気がじっとりと肌にまとわりつく。2017年7月22日土曜日、東京 竹橋は熱気と冷気が入り混じることになる。マイナビが主催する将棋マイナビ女子オープンのタイトル戦は、獲得すると<<女王>>の称号を得ることができる。女王とは、なんとも艶めかしくも輝かしい響きだろうか。
この日は、女流棋士、予選を勝ち抜いたアマ選手が本選トーナメント入りをかけて一同に会している。将棋の対局には珍しい「公開対局」の形式により、観客が見守る中で複数、同時に対局が行われることもあり、多くのファンが会場に駆けつけ会場は期待と熱気に満ちている。
いよいよ会場の準備が整い、対局に臨む女流棋士達が一斉に入場し、ここが女の戦いの場であることが認識される。空気は一変する。それは女流棋士達の表情である。ある者は力強く、ある者は伏し目がち、ある者は怯えたようにも見える顔で観客の前を進んでいく。その様相から感じることは、これは熱き戦いではない、「これは冷徹な戦いだ」ということである。ここは冷たい刃を抱えて挑む、生きるか死ぬかの戦場なのだ。
[対局会場入り口]
午後には、北尾まどか女流二段の対局も行われる。
対局の前には「対局スポンサー」の記念撮影がある。この対局スポンサーという制度は、該当の対局にファンがスポンサー(お金を払って)をして応援するというユニークなもので、ファンが棋士を直接応援する数少ない手段の一つでもある。対局者の二人とスポンサーとで写真を撮影するというサービスもある。これは対局前に行われることもあり、何か不思議な光景。なぜなら、対局者は対局相手と顔を合わせ、スポンサー含めて3人で和やかに写真に収まらなければならないからだ。その後、30分もすれば対峙して戦っているというのにだ。
さて、ねこまど将棋チャンネルとしては、この制度に一枚嚙まない訳にはいかない。対局者との撮影の際に小道具を持ち込んで撮影したのが、この写真。そう、我らは「ねこまど将棋チャンネル」チームなのだ。
対局の前には「対局スポンサー」の記念撮影がある。この対局スポンサーという制度は、該当の対局にファンがスポンサー(お金を払って)をして応援するというユニークなもので、ファンが棋士を直接応援する数少ない手段の一つでもある。対局者の二人とスポンサーとで写真を撮影するというサービスもある。これは対局前に行われることもあり、何か不思議な光景。なぜなら、対局者は対局相手と顔を合わせ、スポンサー含めて3人で和やかに写真に収まらなければならないからだ。その後、30分もすれば対峙して戦っているというのにだ。
さて、ねこまど将棋チャンネルとしては、この制度に一枚嚙まない訳にはいかない。対局者との撮影の際に小道具を持ち込んで撮影したのが、この写真。そう、我らは「ねこまど将棋チャンネル」チームなのだ。
[チームを代表して記念撮影 / 田中沙紀さん了承済み]
北尾まどか女流二段の対戦相手は、チャレンジマッチから勝ち上がってきた田中沙紀アマ。激戦の予選を勝ち上がってきていることもあり実力は折り紙付きだろう。さて、どのような棋風なのだろうか。
両者、気合の入った面持ちで盤を挟み挨拶を交わす。振り駒は歩が三枚。北尾女流の先手で対局が始まる。初手2六歩。居飛車宣言。対して後手は、6二銀。後手はそして、3二金、1四歩、5四歩と時間を使わずに駒を進める。用意してきた作戦は角交換を拒否しての相掛かり調の力戦か。(本局の棋譜は公開されていないため、本記での全記載は割愛します。なお中継された貞升-田中も同様の序盤駒組となっている)
[後手の駒組み]
変則的な出だしに北尾女流は慎重に時間を使う。相手の真意を確かめるように少しずつ盤上に広がる海に潜りだす。棋士が前のめりで揺れながら考える様は、ダイビングでゆっくりとフィンを掻くのと似ているのかもしれない。呼吸を整えながら意識を集中し、深く深く、さらに深く、浮力に逆らい海溝を下り、暗闇の先に光る地球の核をめがけて。
両者の駒組が落ち着く30手頃には、先手だけ既に17分もの時間を費やしている。盤側から見ていると些か不安になる。持ち時間30分、秒読み60秒という早指し棋戦は当然時間が少ない。
両者の駒組が落ち着く30手頃には、先手だけ既に17分もの時間を費やしている。盤側から見ていると些か不安になる。持ち時間30分、秒読み60秒という早指し棋戦は当然時間が少ない。
中盤は相居飛車らしい一進一退の小競り合いが続き、65手付近から均衡が崩れそうな局面になる。いわゆる終盤の入り口と言われる局面だ。この頃には後手も時間を使い切り秒読みに入る。後手の形勢がやや悪くなりかけそうな局面に差し掛かり、田中アマは小首を傾げながら前傾姿勢になり、時折、「いやぁ」と声を漏らす。それでも未だ形勢判断は難しく、両者綱渡り、一歩間違えると奈落の底。この状況でも対局者は将棋という名の舞台の上で、舞を踊り続けなければならない。一方が倒れるまで。
69手目、北尾女流は4五歩をグリグリグリと盤にめりこむように指す。この“グリグリ“は、いわゆる「指しやすい」とされる局面で現れる。後手の堅陣から金を離し、攻め込む糸口が見える局面を作り出す、盤上この一手。先手、やや指しやすい。
北尾将棋は引かない将棋とも言える。攻めでも守りでも相手の主張を受け入れない。本人は攻めが好きというが、いや違う、突っ張り将棋だ。自ら進む道を切り拓くが如く、盤上でも主張を続ける。「こっちのほうが良くないですか?」とでも言うように。
本譜、巧みな受けからの反撃で駒得し、先手良しとなるものの、後手は丁寧に大駒を遠ざける守りの手を指し続け、同時に堅陣を再構築していく。後手は歯を食いしばってという表現がぴったりの苦しい受け方だったものの、やがて3筋には銀金金金と縦に並ぶ壁ができ、2筋の玉を堅固に遮蔽する。
[後手 金銀タワー]
先手からは手掛かりを作るのが難しく、残念ながら角2枚と龍が遊んでいる。駒得が生きない模様となり、1手ごとに後手からじりじりと小駒で迫られる先手はやがて守勢となる。130手、150手・・・・それでも簡単に土俵を割らないのは、観戦している私たちを意識してか。最善の受けを続け、粘り強く指し続ける。これは公開対局、そう簡単に投げることはできないという思いもあるのだろう。周囲の対局は徐々に終わっていき、本局と隣の長沢-北村戦の2局だけ残される。長沢-北村戦は相穴熊の戦いらしく、長い長い終盤となっている。私が座った場所からは、北村桂香女流初段が小さな体を揺らしながら懸命に指している様子が見える。隣も秒読み、こちらも秒読み。時折、記録係による秒読みのカウントがシンクロする。
長く苦しい1分将棋が続いた末、先手玉は引きずり出され前後から攻められ、一方の後手玉は攻めが届かない場所で鎮座している。両者秒読みに入ってから100手を越す大熱戦もついに終わりに近づいてきている。
長く苦しい1分将棋が続いた末、先手玉は引きずり出され前後から攻められ、一方の後手玉は攻めが届かない場所で鎮座している。両者秒読みに入ってから100手を越す大熱戦もついに終わりに近づいてきている。
後手、174手目に7五桂と王手をかける。いよいよ難しい。
少考、少し頷き、そして「負けました」と明瞭な声で先手が投了する。後手の着手から先手投了までの時間は30秒足らず。最後を待つ僅かな時間は全ての指し手が凝縮される時。私には永遠にも感じられた。
感想戦で先に声を出したのは北尾女流。田中アマも疲労困憊の様子。勝者はすぐに次の対局が控えている。簡単な感想戦を終え、駒は駒箱に仕舞われ、礼をして対局は静かに終了した。
以前、長沢女流から「みなさん、まどかちゃんのファンなんでしょ。羨ましいわ。」と言われたことがある。社団戦でチームを組み、ねこまど将棋チャンネルというインターネット放送を始めた。「ねこまど将棋教室」の場で楽しむために集った仲間は、北尾まどかのファンというよりは、北尾まどかが繰り出す次の一手を面白がる人たちかもしれない。便乗して自分たちも楽しんでいる。改めて応援するというのは気恥ずかしさもあるが、それでも気持ちは持っている。メンバー一同、北尾まどかの人生を応援している。それがまた次の夢に繋がっていく。その夢の話は、また別の機会に。
第11回マイナビ女子オープン一斉予選が終わり、本選トーナメントの組み合わせが行われた。タイトル挑戦には、まだまだ勝ち進まなければいけないのだ。北尾女流を破った田中アマは、貞升女流に敗れ本選入りを果たすことができなかった。小野ゆかりアマが唯一アマチュアで本選入りを果たしている。ねこまど将棋チャンネルに出演した女流棋士からは、香川愛生女流三段、長谷川優貴女流二段が次へと駒を進めた。トーナメントを勝ち上がり、加藤桃子女王に挑むのは誰となるのか。
[マイナビ女子オープン]
観戦を終えて、ねこまど将棋教室へ。
今日は「ねこまど1日道場」と称して自由対局の場としている。北尾先生の留守を預かるのも社団戦メンバーだ。多くの来客を迎え、運営、お客さんの相手にと奮闘していた。
決勝局を少し見届けた後、私は竹橋から四谷に向かった。既に北尾先生が教室に戻っており、多くの将棋仲間が真剣に将棋を指す姿を暖かく見守っている。将棋がそこにあれば、人が集まり将棋を指し、誰しもが自分の将棋に熱中する。我を忘れて目の前の一局に没頭する。将棋というのはそういうものだ。のめりこむのが礼儀だ。
決勝局を少し見届けた後、私は竹橋から四谷に向かった。既に北尾先生が教室に戻っており、多くの将棋仲間が真剣に将棋を指す姿を暖かく見守っている。将棋がそこにあれば、人が集まり将棋を指し、誰しもが自分の将棋に熱中する。我を忘れて目の前の一局に没頭する。将棋というのはそういうものだ。のめりこむのが礼儀だ。
[ねこまど1日道場]
夜になり、#シタチューから中華料理を買ってきてビールを飲む。即席の宴会。初めて会った人たちとも将棋の話題で盛り上がる。楽しいひと時。結局、散々飲んで、散らかして、ちょっと片づけて帰宅。ここが楽しい場だから、私たちはついつい甘えてしまう。いつも何とお礼を言ってよいのか分からない。だからまた足を運ぶ。
帰宅途中で北尾先生からお礼のメッセージを受け取る。いやいや、お礼を言うのは私の方ですよ。真剣に将棋を指す姿を拝見させていただき、その後、教室で遊んだ。こんな楽しい日はそうそう無い。だから今日の日を観戦記として残しておきたいのです。私は楽しい記憶を紡いでいきたい。誰かの歌から拝借するなら、縦の糸は将棋で、横の糸は将棋を楽しむみんな。その織物の図柄は北尾まどか考案です。一人では成し遂げられない大きな大きな織物が完成するとき、2017年初に語ったあの言葉が思い起こされるでしょう。
[将棋で世界征服]
長い一日が終わる。
でも戦いは終わらない。
女流棋士 北尾まどかは宣教師ではない、終わりなき戦士である。誰かが見ていようともいまいとも常に戦っている。だが忘れないで欲しい、それは孤独な戦いではない。取り巻く全ての人が一緒に戦っているということを。将棋を愛する人たちの夢を乗せて。
Go Fly and Fight, Madoka!
でも戦いは終わらない。
女流棋士 北尾まどかは宣教師ではない、終わりなき戦士である。誰かが見ていようともいまいとも常に戦っている。だが忘れないで欲しい、それは孤独な戦いではない。取り巻く全ての人が一緒に戦っているということを。将棋を愛する人たちの夢を乗せて。
Go Fly and Fight, Madoka!
(文
@totheworld)
2017年7月18日火曜日
[放送後記] 軽快さは爽快さを生む - 戸辺誠七段の夏
高校球児のような日焼けをした戸辺誠七段が、棋風と同じく軽快に話している。
彼を棋士だと知らない人は、彼のことを棋士だと推理することはできないだろう。見るからにフットワークが軽そうであり、その健康そうな体躯で、高校の体育教師とも思えるような風貌である。豪快というには雑さがなく、繊細というような華奢さがない、体育会系というほど汗臭さもなく、スポーツマンと表現した方が良いかもしれない。
盤上では戸辺攻めの異名の通り、常に攻めの手筋を考えている。ということは、見た目からは想像もつかないほどにギラギラした心を持っているのかもしれない。
将棋の棋士ほど内面が分からない人種はいないだろう。
もし相手が何を考えているのかが分かることができたら、棋士はまず対局相手の読み筋を知りたがるだろうし、それができないのなら表情、仕草から読み取ろうとするだろう。自分の知能に絶対的な自信を持っている者同士の戦いは、ほんのちょっとの事がきっかけて勝負がつく。そのほんのちょっと、1ミリにも満たない何かを探すことができるのも、一つの特殊能力かもしれない。
さて、戸辺七段は放送を見ていただいた方は分かるだろうし、そもそも彼を知っている人間も多いのだが、屈託のない笑顔で、「いや、脳内に将棋盤無いっすよ~」と観客を笑わせる。「だって目があるんですよ、盤を見ればいいじゃないですか」いや、その通りではあるのだけれど、それでプロとしてやっていけるのだろうか?いや、それは彼のハッタリかもしれないが、こんなことで誤魔化すような人には見えない。
短い時間ではあったが戸辺誠七段と話をしていて感じたのは、腰がはいった、あるいは、芯がある、という印象である。これだけ軽妙に話をしているのだけれども、将棋においては曲げられない何かを持っているという感触を受けた。いや、棋士は皆、そうなのかもしれないのだけれど、それぞれにその印象は違う。戸辺七段の場合は、いうならばリゾットだろう。芯が残ったお米。いろいろな味付けがされ、具材と一緒に炊きこまれた柔らかいお米なのだけれども、自分のアイデンティティは、芯として残っていて、食べる者にそれを感じさせ記憶させる。
笑顔で話す彼を見ていて、何か海風のような爽快感を感じたのは私だけではないだろう。
軽快なスイングは、爽快な風を起こす。
竜王戦4組、順位戦B2、30歳。内に秘めた大きな野望は無くしていないだろう。
「本も出したし、あの棋士との対局になった時も中飛車で行きますよ!」
ロマンとファンサービスも忘れない男。
戸辺攻め炸裂を見たい。いや見せてくれ。
イベントの最後に、本当に丁寧に色紙に揮毫をする。
戸辺先生に了承いただき、その様子を天カメで撮影し皆で見た。
棋士を対面にして見るのとは、また違った趣がある。
また応援する棋士が増えた。
また将棋が面白くなる。
そんなトークライブとなった。
(文: @totheworld)
攻めて強くなる 戸辺流中飛車 好評発売中
彼を棋士だと知らない人は、彼のことを棋士だと推理することはできないだろう。見るからにフットワークが軽そうであり、その健康そうな体躯で、高校の体育教師とも思えるような風貌である。豪快というには雑さがなく、繊細というような華奢さがない、体育会系というほど汗臭さもなく、スポーツマンと表現した方が良いかもしれない。
盤上では戸辺攻めの異名の通り、常に攻めの手筋を考えている。ということは、見た目からは想像もつかないほどにギラギラした心を持っているのかもしれない。
将棋の棋士ほど内面が分からない人種はいないだろう。
もし相手が何を考えているのかが分かることができたら、棋士はまず対局相手の読み筋を知りたがるだろうし、それができないのなら表情、仕草から読み取ろうとするだろう。自分の知能に絶対的な自信を持っている者同士の戦いは、ほんのちょっとの事がきっかけて勝負がつく。そのほんのちょっと、1ミリにも満たない何かを探すことができるのも、一つの特殊能力かもしれない。
さて、戸辺七段は放送を見ていただいた方は分かるだろうし、そもそも彼を知っている人間も多いのだが、屈託のない笑顔で、「いや、脳内に将棋盤無いっすよ~」と観客を笑わせる。「だって目があるんですよ、盤を見ればいいじゃないですか」いや、その通りではあるのだけれど、それでプロとしてやっていけるのだろうか?いや、それは彼のハッタリかもしれないが、こんなことで誤魔化すような人には見えない。
短い時間ではあったが戸辺誠七段と話をしていて感じたのは、腰がはいった、あるいは、芯がある、という印象である。これだけ軽妙に話をしているのだけれども、将棋においては曲げられない何かを持っているという感触を受けた。いや、棋士は皆、そうなのかもしれないのだけれど、それぞれにその印象は違う。戸辺七段の場合は、いうならばリゾットだろう。芯が残ったお米。いろいろな味付けがされ、具材と一緒に炊きこまれた柔らかいお米なのだけれども、自分のアイデンティティは、芯として残っていて、食べる者にそれを感じさせ記憶させる。
笑顔で話す彼を見ていて、何か海風のような爽快感を感じたのは私だけではないだろう。
軽快なスイングは、爽快な風を起こす。
竜王戦4組、順位戦B2、30歳。内に秘めた大きな野望は無くしていないだろう。
「本も出したし、あの棋士との対局になった時も中飛車で行きますよ!」
ロマンとファンサービスも忘れない男。
戸辺攻め炸裂を見たい。いや見せてくれ。
イベントの最後に、本当に丁寧に色紙に揮毫をする。
戸辺先生に了承いただき、その様子を天カメで撮影し皆で見た。
棋士を対面にして見るのとは、また違った趣がある。
また応援する棋士が増えた。
また将棋が面白くなる。
そんなトークライブとなった。
(文: @totheworld)
攻めて強くなる 戸辺流中飛車 好評発売中
2017年7月2日日曜日
羽化前夜 - 長谷川優貴女流二段を迎えて - 放送後記
棋士は何度か生まれ変わる。力強くなるために生まれ変わる。
生まれ変わらなければ生き残れない勝負の世界。
長谷川優貴は眩い光と共に生まれている。
プロ入りしてから4戦目でタイトル挑戦まで駆け上がるという離れ業を成し遂げた。
才能ある者の集団の中で目立った功績をあげることは容易いことではないし、容易く許してくれる世界ではないのにだ。
それから6年。
彼女は関西の女流棋士においては上から数えた方が早い。まだ21歳であるにも関わらず。
毎年多くの若い才能が現れ、旧世代を脅かす。
だが、若干21歳の長谷川優貴は旧世代とは言い難い。そう、まだ21歳なのだ。
彼女は集合時間よりも幾分早めに現れる。
(ここだけの話、事前に台本を読んでもらったり、当日に早く来て打ち合わせをすることができたのは今回が初めてである・笑)
白いワンピースで夏らしい装いは、休日の高校生のようにも見える。
フレッシュさと不安定さとを両手に抱えているようかのような印象は、未完成という言葉がしっくりくるかもしれない。
放送が始まり、彼女は少しずつ話し始める。
幸い、ここはアウェイではない。東京の地ではあるが同じ女流棋士が運営する教室の中である。集まった客は将棋ファンであり温かく見守ってくれている。
放送終了後は、より気さくに色々なことを話してくれた。その様は、当たり前だが普通に完全に20代女性である。バンジージャンプが好きで、タワーオブテラーを連続で搭乗する普通に完全な20代女性である。
今、長谷川優貴は何かのタイミングを待っているかのように、あるいは何かのきっかけを掴もうとしているかのように思う。生まれ変わるために。
将棋の強さには何が由来しているのか凡人には分からないが、将棋に費やす時間との単純な正比例の関係とはならないようで、不条理を感じる。もしかしたら飛び続けるバンジージャンプの先に何かが見えるのかもしれない。あるいは単なるスリル好きなのかもしれないが。
何かが変わるかもしれない。
その兆しを見逃してはならない。今まさに羽化前夜なのだ。
自ら行動して、その殻を破ろうとする姿はフォームチェンジには留まらずに大きく進化するだろう。
世にも美しい蝶になるか、あらゆる者を打ちのめす毒蛾になるか、
とにかく静かに、でも熱く、長谷川優貴を応援しようではないか。
(文 @totheworld)
将棋の強さには何が由来しているのか凡人には分からないが、将棋に費やす時間との単純な正比例の関係とはならないようで、不条理を感じる。もしかしたら飛び続けるバンジージャンプの先に何かが見えるのかもしれない。あるいは単なるスリル好きなのかもしれないが。
何かが変わるかもしれない。
その兆しを見逃してはならない。今まさに羽化前夜なのだ。
自ら行動して、その殻を破ろうとする姿はフォームチェンジには留まらずに大きく進化するだろう。
世にも美しい蝶になるか、あらゆる者を打ちのめす毒蛾になるか、
とにかく静かに、でも熱く、長谷川優貴を応援しようではないか。
(文 @totheworld)
2017年5月30日火曜日
[告知] 7.1 (土) 長谷川優貴 女流二段を迎えてトークライブ
2017.7.1 (Sat)
10:00-11:30 (10:00-10:30 YouTube 生放送)
場所 ねこまど将棋教室 (四谷)
入場料 2000円
定員 20名
申し込み https://goo.gl/forms/8cC17xVLuJOoteuV2
関西所属の長谷川優貴 女流二段にお越しいただくこととなりました。
関西の先生ということもあり全く話したことがありません。どんな方なのでしょうか?
恒例の〇×質問もやろうと思っていますし、恒例の盤を挟んでツーショット撮影もしようと思っています。加えて、色々と楽しいアイデアを検討中です。
ねこまど将棋チャンネルならではの距離感で、長谷川先生の魅力に迫っていきます。
1995年生まれで北村桂香女流初段と同い年。
現在、21歳。
競争が激しい女流棋界において、デビューが早かったもののまだ若手。これからの更なる活躍が期待されます。
宣伝用につくったスライドの写真は、以前の女流棋士の知と美で私が撮影したもの。
客席から見ながら、この女性はアイドルですか??と何度も思いました。
今回は間近に画が撮れるのが楽しみです。
もちろん、客席からの撮影もOKです。(YouTube 放映中を除く)
ぜひ、スタジオ(ねこまど将棋教室)にお越しください。
(@totheworld)
2017年5月7日日曜日
Dreams Come Ture - 加藤一二三九段 77歳 いまだに広がり続ける無限の可能性
ねこまど将棋チャンネル vol.16 に加藤一二三九段にお越しいただいてトークライブを開催した。
最近では「ひふみん」の愛称でTVやインターネット放送に出演されていることを見ることが多い。4万人を越えるツイッターのフォロワーは、将棋を知らない人の割合のほうが多いかもしれない。将棋の実績もさることながら、功績という意味においても将棋界の巨人と呼ぶより他ないであろう。
何の疑いも持たずに前へ前へと進む様に、人は時として困惑する。
加藤九段は、いたってシンプルに、シンプルな情熱を切々と語り、そこに論理の破たんが一切生じない。シンプルというのはそういうことだ。
「現実的には無理だと自分でも分かっていますけど」
棋聖タイトル奪取に向けた発言は、NHK ノーナレのきっかけにもなった。
少し反省もする。
YouTube 公開放送後には、教室だけのトークもパワフルに進行。
本当は放送に乗せたいと思っていた〇×質問を行うことができた。
1. 対局に集中するために、滝を止めさせたことがある
2. 対局中に、将棋盤を割ってしまったことがある
3. さらに、対局中に駒を割ってしまったことがある
4. 77歳になった今でも、食欲が衰えない
5. ツイッターが大好きである
6. 公式対局2,500局以上あるが、どんな対局でも思い出せる
7. 藤井聡太四段は、ウナギを食べれば、これからも強くなる
8. 棒銀は無敵である
9. 将棋を指しているときは、何時間であっても全く疲れない
10. ひふみん先生にとって、将棋は天職である
両手指しの実演もしていただいた。
何度もピシッと響く駒音を聞かせていただいた。
こんな間近で加藤先生の駒音を聞ける機会はそうそう無い。
「先生疲れないですか?」
「いやぁ、ひとつひとつ書いていくのは楽しいですよぉ。」
朝から加藤先生と共にしている私は、この頃には「これは化け物だ」と思い始めていた。
私のボキャブラリーが貧弱なせいもあるのだが、いや、ほかに表現しようが無かったのである。
1960年、当時20歳の加藤一二三八段が大山名人に挑戦した第1局の写真を向こうに、77歳となった加藤一二三九段が無心に筆を運ぶ。
半世紀超の隔世を経てもなお、将棋に対峙している。
77歳は夢を語る。
語ることで自分の道を切り拓いている。
自分の可能性を信じていることがパワーの源泉のように感じられた。
カトリックの洗礼を受けたということが、自らの人生観に深く影響を与えたというものの、誰しもがこのようになれる訳ではないだろう。
Dreams Come True を体現したような男。
そしてこれからも具現化していくであろう77歳。
私は77歳の大先輩をこう表現したい。
「末恐ろしい」
(ペン @totheworld)
ねこまど将棋チャンネル
登録お願いしますm(__)m
最近では「ひふみん」の愛称でTVやインターネット放送に出演されていることを見ることが多い。4万人を越えるツイッターのフォロワーは、将棋を知らない人の割合のほうが多いかもしれない。将棋の実績もさることながら、功績という意味においても将棋界の巨人と呼ぶより他ないであろう。
何の疑いも持たずに前へ前へと進む様に、人は時として困惑する。
加藤九段は、いたってシンプルに、シンプルな情熱を切々と語り、そこに論理の破たんが一切生じない。シンプルというのはそういうことだ。
「現実的には無理だと自分でも分かっていますけど」
棋聖タイトル奪取に向けた発言は、NHK ノーナレのきっかけにもなった。
少し反省もする。
YouTube 公開放送後には、教室だけのトークもパワフルに進行。
本当は放送に乗せたいと思っていた〇×質問を行うことができた。
1. 対局に集中するために、滝を止めさせたことがある
2. 対局中に、将棋盤を割ってしまったことがある
3. さらに、対局中に駒を割ってしまったことがある
4. 77歳になった今でも、食欲が衰えない
5. ツイッターが大好きである
6. 公式対局2,500局以上あるが、どんな対局でも思い出せる
7. 藤井聡太四段は、ウナギを食べれば、これからも強くなる
8. 棒銀は無敵である
9. 将棋を指しているときは、何時間であっても全く疲れない
10. ひふみん先生にとって、将棋は天職である
(どの質問に〇と答えたでしょう?)
定番の質問にも快く答えていただき、会場は笑いが絶えない。
これがカワイイと言われる所以であろう。
両手指しの実演もしていただいた。
何度もピシッと響く駒音を聞かせていただいた。
こんな間近で加藤先生の駒音を聞ける機会はそうそう無い。
「先生疲れないですか?」
「いやぁ、ひとつひとつ書いていくのは楽しいですよぉ。」
朝から加藤先生と共にしている私は、この頃には「これは化け物だ」と思い始めていた。
私のボキャブラリーが貧弱なせいもあるのだが、いや、ほかに表現しようが無かったのである。
77歳は夢を語る。
語ることで自分の道を切り拓いている。
自分の可能性を信じていることがパワーの源泉のように感じられた。
カトリックの洗礼を受けたということが、自らの人生観に深く影響を与えたというものの、誰しもがこのようになれる訳ではないだろう。
Dreams Come True を体現したような男。
そしてこれからも具現化していくであろう77歳。
私は77歳の大先輩をこう表現したい。
「末恐ろしい」
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